烏は主を選ばないの澄尾と真赭の薄の関係は?八咫烏シリーズ最新刊までネタバレ解説

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八咫烏シリーズの登場人物のうち、私が最もイケメンだと思うのが若宮の護衛・澄尾です。

外見がイケメンなだけでなく、ズケズケと自分の言いたいことを口にする彼のキャラがものすごくツボで。こんな男性に出会ってたら絶対追いかけてたー!と思うほどです。

その澄尾がうっかり惚れてしまったのが真赭の薄(ますほのすすき、以下ますほ)。若宮の妻・浜木綿(はまゆう)の筆頭女房を務める女性です。

『烏に単は似合わない』から登場するますほと『烏に単は似合わない』から活躍が目立つ澄尾、ふたりの関係について詳しくふかーくネタバレ解説します!

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烏は主を選ばないの澄尾と真赭の薄(ますほのすすき)の関係は?

真赭の薄と『烏は主を選ばない』から登場する「澄尾(すみお)」は一体どのような関係なのでしょうか?

出会いは宮烏みやがらすへの山烏やまがらすの挨拶のとき

二人の出会いは、澄尾の勁草院けいそういん(若宮専属のエリート軍人・山内衆の養成所)入峰にゅうぶの折に、他の入峰者とともにますほに挨拶したときでした。

貴族の「宮烏」と庶民の「山烏」では明らかに身分に差があります。

澄尾はますほと同じく西領の出身ですが、ますほが西領を治める西家(大貴族)の姫君なのに対して、澄尾は病気の母親を抱えた田舎の若者に過ぎませんでした。

当時のますほは挨拶の場に澄尾がいたことなど全く覚えておらず、澄尾はわずか10歳にして「将来は若宮の后になる」と信じて疑わないお姫様のご挨拶を冷ややかに聞き流しただけでした。

若宮の護衛と浜木綿の筆頭女房として仕事上の関係ができる

二人がお互いの人となりを知り始めたのは、若宮のお后候補・真赭の薄と若宮の護衛・澄尾として直接顔をあわせるようになってからです。

勁草院を首席で卒業した澄尾は若宮専属の護衛となっていたため、若宮の后・浜木綿の筆頭女房となったますほとは仕事上の接点が多くなりました。

というのも、若宮は人目をあざむいてこっそり外出することが多く、その際に浜木綿に自分の格好をさせて在宅を偽装することがよくあったためです。

若宮と浜木綿が起こすトラブルの尻拭いをするのは、いつも澄尾とますほの役目でした。

そういうわけで二人は仕事をするうえでのカウンターパートとしてお互いを知るようになっていきます。

髪を切った真赭の薄に澄尾が一目ぼれ

澄尾は髪をおろした真赭の薄に一目惚れしてしまいます。髪を切る前の真赭の薄に対して、澄尾は「鼻持ちならないほどプライドが高い困ったお姫様」という印象しか持っていませんでした。

ますほが長かった髪をバッサリ切り落として山神に仕える身になったのは、若宮にプロポーズされたときです。

ますほは若宮といとこ同士で幼い頃に一緒に遊んだこともあります。それ以来いつかは若宮の后になりたいと恋心を募らせ、自分なりに努力を重ねてお后選びの登殿に臨みます。

しかし若宮は、姫たちに会おうともせず、教養や見た目の美しさはどうでもいいとバッサリ切り捨て、愛情がなくてもよいし妻を裏切るかもしれないと断言。

自分の恋心が決して報われないことを悟り、「あなたでもいいと思っている」と言い放った若宮の前で、ますほは懐剣を手にして自慢の美しい髪を切り落としました。

それは自分が政略結婚に興味がないことに気づいたからであり、若宮の妻にふさわしいのは自分だという思い上がりへの、ますほなりのけじめの付け方でもあったと思います。

鼻持ちならないお嬢様が髪を切ってどうなったのかと興味本位で真赭の薄の姿を見た澄尾は、自分を睨むように見つめてきたますほの美しさに心を奪われてしまいました。

若宮からの求婚を拒絶したからといって出家までする必要はないと思いますが、自分のしたことにキッチリ落とし前をつけたい!というますほの潔さは、個人的には大好きですね。

潔い決断をしたことでますほに備わった雰囲気こそが、澄尾を惹きつけたのではないかと思います。

真赭の薄と雪哉との婚約話で険悪な仲に

澄尾はますほに思いを寄せていましたが、身分の違いに引け目を感じていたこともあり、ある時雪哉を真赭の薄の婚約者として推薦します。

しかしそのことがますほを怒らせてしまい「二度と近づかないで」と言われるほど仲がこじれます。

澄尾は、真赭の薄が雪哉の競馬を見る姿を目撃していました。ちょうどこちらの試し読みで8回ぐらいクリックしたところからそのシーンが読めます。

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ますほは小柄な少年だった雪哉が鮮やかに大役を果たし、すっかり青年らしくなって目の前に現れたことに感心すると同時に寂しさも感じつつ雪哉の姿を見ていました。

澄尾はこのときの様子から、ますほが雪哉に対して特別な感情を持っているのではないか?と考えたのかもしれません。

雪哉をますほの婚約者に推薦したのですが、弟のように思っていた相手に嫁ぐ話を持ち出されたますほは怒髪天をつく勢いで怒り、提案した澄尾を嫌うようになってしまいました。

「女はすっこんでろ」と言われショックを受けるますほのすすき                

澄尾と真赭の薄はその後も意見がぶつかり合い、澄尾がますほに「女はすっこんでろ」と言うシーンもあります。

山神が八咫烏に及ぼす不思議な力を目の当たりにした若宮や雪哉らは、化け物のように凶暴な山神を倒す以外に山内の平和を取り戻す方法はない、との結論を出します。

しかし偶然それを耳にした真赭の薄は、戦う前に話し合いでなんとかするべきだ、そのためなら自分は何でもする、自分を連れて行ってほしいと弟・明留や若宮に食い下がるのです。

それを一喝したのが澄尾でした。「ちょっと待ってくれ、姫さん」と姫さん呼びをかまして会話に割って入ります。

澄尾「俺達のやることに安全な場所から難癖をつけられては、たまったもんじゃない。」(中略)
真赭の薄「難癖などーーわたくし、決してそんなつもりでは」(中略)
澄尾「いいから。女は、すっこんでろと言ってるんだ」

『弥栄の烏』 第二章 断罪

澄尾の発言は真赭の薄を止めるためにわざと強い態度で言われたものであり、目的は彼女を危険から遠ざけることでした。

若宮や明留もそのことは理解していましたが、真っ青になってその場から逃げるように立ち去った真赭の薄と澄尾の間には気まずい雰囲気が残ります。

もともと嫌われてるから、とうそぶく澄尾が切ないんですよね…。

「手を、握ってはくれますまいか…」と言われ澄尾の気持ちに気づくますほ

山神に捧げられた人身御供の志保が逃げ出したことをきっかけに、山神の怒りが白い閃光となって爆発。呪いの光が山神の近くにいた八咫烏たちを焼き殺しました。

澄尾がとっさに若宮をかばったおかげで若宮は腕一本のやけどで済んだものの、澄尾は全身にひどいやけどを負い、生死の境をさまよい続けます。

澄尾がますほのいる凌雲寺に運び込まれたときには、左手と左足は炭化して崩れ始め、切り落とすしかありませんでした。

その後も傷口がパチパチ帯電し次々とウジ虫が湧き出すため、下女たちは澄尾の世話を投げ出します。しかしますほは竹の箸でウジ虫をつまみ、時には直接口で吸い取って懸命に看病を行うのです。

どうしてそこまでできるの…?と不思議に思うほど懸命に世話をするますほ。自分にできることをしているだけと言いますが、なかなかここまでやれる人はいませんよね。

看病のかいあってようやく意識を取り戻した澄尾に「何をして欲しいの、何でもおっしゃって」とますほが声をかけると、澄尾は「手を、握ってはくれますまいか…」と絞り出すように一言発しました。

その時初めて、ますほは澄尾の気持ちに気づいたのでした。

名言「男は引っこんでいなさい」で澄尾に仕返し                 

澄尾と真赭の薄の間にはさらなる衝突が待っていて、今度はますほが澄尾に「男はひっこんでいなさい」と言う番がきます。仕返しですね(笑)

大やけどが治る気配を見せない澄尾に付き添い、若宮とともに神域に入ったますほは、どうか澄尾を助けてほしい、そのためなら何でもすると山神に懇願します。

結局山神ではなく志保が澄尾に触れたことで澄尾の傷は癒えたのですが、山神はますほに志保の世話をするため神域へ通うよう命じました。

仲間が黒焦げにされた記憶も新しい時期だけに、傷が癒えたばかりの澄尾はますほをなんとか止めようとします。

「俺がこんな体になった意味がない」とまで叫びますが、ますほはあっさりと背を向けて山神のもとに向かいました。

澄尾「めてくれーー姫さん、頼む!」
真赭の薄「男は引っこんでいなさい」

『弥栄の烏』 第三章 治癒

ここはますほが「ちゃめっけたっぷりに」男は引っ込んでなさい、というところがすんごくいいな~と私が特に気に入っているシーンです。

澄尾が改めてますほに告白

傷が癒えた澄尾は、義手と義足を使い一人で歩けるようになると最初に真赭の薄のもとへ行きました。

そして看病への礼を丁重に述べたあと、「あなたを一人の女性として好いています」と改めて告白します。

ますほは「あなたの気持ちに応えることはできません」と率直な気持ちを伝えるのですが、澄尾はそれに対して「ああ、かまわねえよ」と言うなり去ってしまいます。

かまわねえよ(笑)

若宮に対してもそうですが、澄尾って心を許した相手には一気に間合いを詰めた物言いになるんですよね。

ますほはその一言が「茶屋で菓子を切らしていると聞いたときと同じような反応」だとプリプリと怒っていました。確かに、そんな感じですよねw

山内衆の詰所でふたたび澄尾と顔を合わせたとき、改めてますほに話をするつもりだったという澄尾からようやくすべての話を聞くことになります。

澄尾の「かまわねえよ」は「(自分の気持に応えてもらえなくても)かまわねえよ。(これは臆病で面と向かって告白できなかった自分への決別だから)」、という意味だったことがわかりました。

別れ際、澄尾のやぶさめが見たかったというますほに、澄尾は「いつか見せてやるよ」といかにも気楽な調子で約束します。「これでできなきゃ男がすたる」と張り切る澄尾がかわいいです。

そこで改めて、わずかな時間で義手と義足を使いこなせるようになった澄尾の努力と、それを全くひけらかさない人柄の良さに気づいたますほ。「あなた、存外いい男だったのね」とポロリと本音をこぼしました。

このあと二人が恋人同士になったりなどの描写は出てこないんですが、おそらく澄尾は約束通りやぶさめを披露したんじゃないでしょうか。

その後『追憶の烏』と『望月の烏』に二人の子供たちが登場します。

結婚して夫婦になり4人の子供を授かる

ますほと澄尾は結婚して双子一組のほか二人の子供をもうけており、最新刊の『望月の烏』でそれぞれ活躍します。

  1. 葵(あおい:双子の姉。「澄生(すみき)」として宮廷の落女になる)
  2. 茜(あかね:双子の妹。凪彦の后候補として登殿する桂の花の女房)
  3. 照尾(あけお:男子。勁草院の院生で花形射手に選ばれた)
  4. 暁美(あけみ:男子。11歳で女子のような顔立ち。くすしを目指し父母を手伝っている)

最も注目されるのは「澄生(すみき)」として宮廷の落女(男性として官僚になる女性)になった葵です。

彼女は病弱であるために医師に預けられていたとされ、これまで表に姿を現しませんでした。

名前だけは『追憶の烏』に登場していましたが、若宮に生き写しの美貌と頭の良さ、絶大な権力を手にする博陸候雪斎(雪哉)にもひるまない態度から若宮と浜木綿の娘・紫苑の宮では?と疑われています。

ますほと澄尾も、幼い頃は時折行方不明になっては戻ってきた、と語っていることから怪しいようにも思うのですが、、実際にはどうなのでしょうか?気になりますね。

この頃にはますほは白髪交じりになり、同年輩の貴族の女性よりもに年老いた雰囲気になっていますが、瞳の輝きは失われておらず貧民救済に励んでいます。

ますほのすすきと澄尾のエピソードは何巻何話で読める?

真赭の薄と澄尾のエピソードが読める漫画や小説は次のとおりです。

漫画

八咫烏シリーズの漫画は『烏に単は似合わない』と『烏は主を選ばない』の2種類が刊行されていますが、まだますほと澄尾の関係は深まっていません。

それぞれが別の作品で活躍する様子を読むことができます。

漫画『烏に単は似合わない』で描かれる真赭の薄は華やかで美しい女性です。

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漫画『烏は主を選ばない』の澄尾は雪哉の兄貴分的な雰囲気もあり、動きもかっこよくて見とれてしまいます。

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ただし漫画で二人が直接言葉を交わす様子が読めるのはまだまだ先になるでしょう。

小説

小説では澄尾と真赭の薄のやり取りをたっぷり楽しむことができます。

小説『烏に単は似合わない』で描かれる真赭の薄は良くも悪くもインパクト大ですw澄尾もセリフつきでちらっと登場しますが二人が言葉を交わすことはありません。

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小説『烏は主を選ばない』では若宮の護衛として澄尾が活躍します。こちらには真赭の薄は登場せずです。

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『弥栄の烏』では澄尾と真赭の薄の会話を読むことができます。見どころは「女はすっこんでろ」「男は引っこんでいなさい」のやり取りですね。

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澄尾と真赭の薄に注目するなら絶対外せないのが短編集『烏百花 蛍の章』。

雪哉との婚約話に激怒するますほが読めるのが「しのぶひと」、やけどから回復した澄尾がますほに告白するのが「わらうひと」です。

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第二部の1冊め『追憶の烏』には二人の娘、茜が登場。可愛らしい姿を読むことができます。

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最新刊『望月の烏』は澄生が主人公。茜や照尾、暁美もしっかり登場します。澄尾と真赭の薄が年齢を重ねた姿もすてきです♡

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『烏は主を選ばない』は、同じ時系列で同時進行する姫宮たちの物語『烏に単は似合わない』と表裏一体のストーリーになっています。

2024年のアニメはこの2作品をまとめて映像化しますので、せっかく小説を読むなら2作品とも読むのがおすすめです。

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烏は主を選ばないの澄尾と真赭の薄の関係をネタバレ解説のまとめ

『烏は主を選ばない』『烏に単は似合わない』に登場する澄尾と真赭の薄の関係について、最新刊までの内容を含めネタバレ解説してきました。

  • 出会いは宮烏みやがらす(貴族)と山烏やまがらす(庶民)
  • 若宮の護衛と浜木綿の筆頭女房
  • 髪を切った真赭の薄に澄尾が一目ぼれ
  • 真赭の薄と雪哉との婚約話で険悪な仲に
  • 「女はすっこんでろ」と言われショックを受けるますほ                
  • 「手を、握ってはくれますまいか…」と言われ澄尾の気持ちに気づく
  • 「男は引っこんでいなさい」と澄尾に仕返し                 
  • 澄尾が改めてますほに告白
  • 結婚して夫婦になり4人の子供を授かる
  • ますほのすすきと澄尾のエピソードを読むなら『烏百花 蛍の章』がおすすめ

最新刊『望月の烏』を読んで、澄尾と真赭の薄がとても素敵な親になっていることに感心してしまいました。

子どもの可能性を信じて寄り添い、応援するのがどれだけむずかしいことか…。それができている澄尾とますほを尊敬する気持ちが強くなりました。

最後まで澄尾と真赭の薄一家の活躍を見届けたいですね。

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