和風ファンタジー小説『烏に単は似合わない』を含む「八咫烏シリーズ」に登場する真赭の薄(ますほのすすき)は、一体どのような人物なのでしょうか?
また、『烏に単は似合わない』や『烏は主を選ばない』のその後はどうなっていくのでしょうか?
真赭の薄について、しっかり解説します。
八咫烏シリーズの真赭の薄(ますほのすすき)とは?
🪶アニメ「烏は主を選ばない」🪶
— アニメ『烏は主を選ばない』NEP公式 (@nep_yatagarasu) February 20, 2024
📣四姫キャスト発表
西家一の姫🍁
真赭の薄(ますほのすすき)役を演じるのは#福原綾香 さん!
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※画像に誤字があったため再投稿しました※ pic.twitter.com/UQ9nj0KEVH
八咫烏シリーズに登場する真赭の薄(以下ますほ)は、一体どのような人物なのでしょうか?
西家当主の娘(一の姫)
ますほは、文化芸術に優れた西家の姫です。西家当主の娘(一の姫)で、弟の明留(あける)と兄の顕彦(あきひこ)がいます。
派手なものを好み、いつも西家ご自慢の鮮やかな赤・蘇芳の衣をまとっています。
薔薇色の艶やかな肌と熟れた甘い果実のような唇、そして赤い光沢をもった黒髪をもつ彼女に、蘇芳色の着物はよく似合います。
工芸に優れた西家の姫だけあって手先も器用で、自分の着物を縫い上げるだけでなく、若宮に献上する着物を細かなパッチワークで仕上げるなど職人か?!と思うほどの腕前を持っています。
気が強く気位も高いですが、器量と才能、頭脳は后候補として文句なしです。
幼い頃から若宮に恋していた
ますほは自分が若宮の后になれると信じて疑っていませんでした。
ますほの父親は若宮の母親・十六夜の兄なので、若宮とはいとこ同士です。
そのため幼い頃に若宮と交流があり、若宮に対して恋心を抱いてきました。
お后候補となった時は若宮の正室になれると信じて疑っていませんでしたが、若宮が后に求めるものを聞いて幻滅。后となることをやめました。
同じくお后候補であり、若宮の正室となった南家出身の「浜木綿(はまゆう)」の筆頭女房となります。
名前の由来と意味を詳しく解説
「真赭の薄(ますほのすすき)」という名前の由来は複数あるようです。
由来①真赭(まそお=鮮やかな赤色)のすすき
ますほの名前の由来は、古来から和歌に登場する「真赭の薄(ますほのすすき)」という言葉です。
「真赭の薄」を広辞苑で引くと「穂が赤みを帯びた美しいススキ」という説明が載っています。
実際に「真赭(まそお)」という名前の蘇芳よりも明るい赤色があります。
このように明るい赤みのある穂の美しいすすきという意味だと考えられます。
しかし、日本の古典である『無名抄』や『徒然草』ではこの他にも複数の「真赭の薄」の意味が紹介されています。
由来②無名抄の「ますほのすすき」
鎌倉時代の歌論書『無名抄』に出てくる「ますほのすすき」には3つの異なる意味があることがわかっています。
まずは無名抄でどんなふうに「ますほのすすき」が紹介されているのか見てみましょう。
和歌に詠まれている「ますほのすすき」がどんなものか話題になったとき、登蓮法師(とうれんほうし)が雨の中をわざわざそれを確かめに出かけていった。戻ってきた法師は、ますほのすすきの正体を知ったようだが滅多に人に言うことはなかった。
「徒然草」によると、鴨長明が登蓮法師に確かめたところ、ますほのすすきの正体は3種類あるということでした。
- 「増す穂」…穂が長いすすき
- 「真麻(まそお)」…麻の繊維のような糸状のススキ
- 「真蘇芳(ますおう)」…すおうの花のような紫色のススキ
登蓮法師は人が知らない知識を身につけて和歌を詠み、歌人として出世したかったから秘密にしたのだろうということでしたね。
名前の意味がキャラの伏線になっている?
真赭の薄という名前が持つさまざまな意味は、ますほのその後と合わせて考えるとどれも意味深で非常に興味深いです。
「赤みのある穂の美しいすすき」は、登殿した姫君たちの中でもっとも艶めいた美しさを持っていたますほを象徴するかのようです。
「穂が長いすすき」は、ますほが長期間にわたって活躍する息の長い登場人物であることの暗示に思えます。
ますほは現在刊行済みの原作小説すべてに登場しているキャラクターであり、第二部に入ってからも重要人物の母親として存在感を保ち続けるからです。
「麻の繊維のような糸状のススキ」は、失敗を重ねながらも自分の意思をつらぬくますほの飾らない人柄を思わせます。
「すおうの花のような紫色のススキ」からは、紫は八咫烏シリーズでは帝だけが身につける色なので、ますほが帝や皇族と関わりを持つことになるのかも…?と考えたくなります。
ちなみにすおうの花はこういう花です↓
まあ、色々深読みのしすぎだと思いますが(笑)名前一つからこれだけ想像の翼を広げられるのが八咫烏シリーズの面白いところですね^^
真赭の薄の『烏に単は似合わない』『烏は主を選ばない』のその後は?
八咫烏シリーズ・真赭の薄の『烏に単は似合わない』『烏は主を選ばない』のその後について解説します。
浜木綿の筆頭女房・親友であり続ける
ますほは浜木綿(はまゆう)の女房(世話係兼秘書のようなもの)になりました。その関係は浜木綿が若宮のお后候補だったときから金烏の妻・赤烏となって以降もずっと続きます。
ますほは皇后の候補になるほど高貴な生まれなので、本当は誰かの女房になる立場ではありません。
しかし本気で若宮のために役立とうとする浜木綿の姿を見て、彼女のことが大好きになり支えたいと思ったのでしょう。
「男だったらあなたを女房にする」と本人に向かって言うくらい浜木綿に惚れ込み彼女のために尽くします。
第二部では、行方不明になっている浜木綿の娘・紫苑の宮が、実は真赭の薄の娘・葵(澄生)ではないか?との疑惑もあり、浜木綿とはずっと強い信頼関係で結ばれているようです。
雪哉と袂を分かつ
ますほは雪哉と決定的に対立。袂を分かつことになります。
その理由は、雪哉が貴族たちを囮にして猿を討伐したからでした。
結果として猿は全滅、八咫烏の被害は少なかったので雪哉を批判する声は少数派でした。
しかし気づないうちに雪哉に利用されたこと、自分のほか若宮の妻・浜木綿や娘の紫苑の宮も含めて貴族たち全員が囮にされたことにますほは激怒。
これ以降雪哉と顔を合わせるシーンは出てこず、ますほと雪哉の折り合いがよくないことは周囲の人もよく知る事実になっていきます。
かつては若宮の近習としてよく働く小柄な少年を弟のように微笑ましく眺めていたますほ。
端午の競馬(流鏑馬やぶさめ:走る馬の上から矢を射る儀式)で射手を務める雪哉を見て、すっかり青年らしくなった姿をまぶしく見つめていたこともありました。
ちなみにそのシーンはこちらの試し読みで読むことができます。
しかし用兵の才能を発揮し宮廷に確固たる地位を築いていく雪哉の考え方は、真赭の薄にとって受け入れ難いものになっていきます。
澄尾と結婚し4人の子供を産む
ますほは澄尾と結婚し、4人の子供が産まれます。
二人がお互いをよく知るようになったきっかけは、若宮の護衛・澄尾と、浜木綿の女房・ますほには仕事上で接点が多かったことです。
若宮は浜木綿に自分の格好をさせて在宅を偽装しこっそり外出することも多く、そのことで起きるトラブルの尻拭いをするのはいつも澄尾とますほの役目でした。
澄尾はますほに思いを寄せていましたが、身分の違いに引け目を感じていたこともあり、ある時雪哉を真赭の薄の婚約者として推薦します。
そのことがますほを怒らせてしまい「二度と近づかないで」と言われるほど仲がこじれるんです。
しかし瀕死の大やけどを負った澄尾が、献身的に看病してくれるますほに「手を、握ってはくれますまいか」と言ったことから二人の関係が変わり始めました。
このシーンを『弥栄の烏』で読んだときは、ええーーーーーっ!と盛大に驚きましたね。本編には伏線らしきものがなかったので。。
雪哉との婚約話に激怒するますほが読めるのは短編「しのぶひと」で、やけどから回復した澄尾がますほに告白する短編が「わらうひと」です。
電子書籍だと短編が1つずつ読めるようになっているので、ぜひ読んでみてください^^
どちらも短編集『烏百花 蛍の章』に収録されていて、それぞれ10回ぐらい読んでますが(笑)何度読んでも最高です!
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『烏は主を選ばない』は、同じ時系列で同時進行する姫宮たちの物語『烏に単は似合わない』と表裏一体のストーリーになっています。
2024年のアニメはこの2作品をまとめて映像化しますので、せっかく小説を読むなら2作品とも読むのがおすすめです。
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私は1冊ずつ買ってしまったのでこれに気づいたときはガクゼンとしました(T_T)
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八咫烏シリーズ烏に単は似合わないの真赭の薄まとめ
八咫烏シリーズの真赭の薄(ますほのすすき)について、澄尾との関係や『烏は主を選ばない』『烏に単は似合わない』のその後についてもまとめました。
ますほのすすきはこんな人です。
ますほのすすきの『烏に単は似合わない』『烏は主を選ばない』のその後はこちら。
澄尾に対してだけでなく、浜木綿や実家の父親など誰に対しても思いを素直にぶつけて、不器用ながらも自分を貫くますほは本当に素敵な女性です。
原作者の阿部智里先生によると、八咫烏シリーズには女性の社会進出的なものを織り込みたかったようですね。
ますほが「男はすっこんでいなさい」と茶目っ気たっぷりに叫ぶのがかっこいいのはそういうわけか、と納得のシーンでした。ぜひ真赭の薄の活躍を原作でも楽しんでみてください。