八咫烏シリーズに登場する藤波の宮は、八咫烏が住む世界「山内」の宗家(皇族)のお姫様、内親王です。
シリーズは『烏に単は似合わない』で藤波の兄・奈月彦が日嗣の御子(ひつぎのみこ、皇太子)に即位し、そのお后を選ぶところからスタート。
藤波はお后選びに深く関わりますが、その後は登場しなくなってしまいます。
藤波とは、どういったキャラなのか?『烏に単は似合わないの』後なぜ登場しなくなってしまうのか?について解説します。
八咫烏シリーズの藤波とは?
🪶アニメ「烏は主を選ばない」🪶
— アニメ『烏は主を選ばない』NEP公式 (@nep_yatagarasu) March 5, 2024
📣キャスト発表
🏵️若宮の妹
藤波役を演じるのは#青山吉能 さん!
▼キャラ紹介はこちらhttps://t.co/Ab5KQUrLAL#烏は主を選ばない #yatagarasu pic.twitter.com/uKV8aoSqGa
八咫烏シリーズの藤波がどんなキャラクターか紹介します。
『烏は主を選ばない』の若宮・奈月彦の妹
藤波は『烏は主を選ばない』の長束(なつか)と若宮と呼ばれる奈月彦(なづきひこ)の妹です。
長束とは異母兄弟ですが、奈月彦と藤波の母親は十六夜なので血を分けた兄弟ですね。
年齢は、『烏は主を選ばない』の時点で12歳です。アニメのキャラクターデザインを見たとき幼いなと思いましたが、年齢的にもまだ子供なんですね。
見た目は父親に似て貴族的なのですが、美人の母親にそっくりの奈月彦とは違い平凡な容姿の女性です。
藤波は奈月彦の実の妹ですが、実は奈月彦に恋心を抱いています。藤波は宗家の貴族であり、現代でいうところの皇室のプリンセスです。
宗家で箱入り娘として育った藤波が知っている男性は、父親と昔よく一緒に遊んでくれた優しい兄・奈月彦だけ。そのまま男性との接触もなく思春期を迎えているので、無理ないかもしれません。
奈月彦は日嗣の御子に即位する直前に外界(人間界)への数年間の留学から帰ってきた設定です。
奈月彦に久しぶりに会うと美しい青年に成長していたわけで、そんな姿に心奪われ、奈月彦を好きになってしまいます。
兄妹での叶わぬ片思いとは、何だか切ない気持ちになりますが、このことが物語を大きく動かしていくんですよね。
母親を幼い頃に亡くしている
藤波の宮は、母親を幼い頃に亡くしています。
藤波の母親十六夜は、藤波がまだ幼い頃に亡くなっています。なので藤波は母親の愛情というものを知りません。
その後は藤宮連の滝本が養育係として藤波を育ててきました。
滝本は生活の面倒を見つつ内親王としてふさわしい立ち居振る舞いを教えるのですが、厳しく教育するものの、遠慮があって藤波を本気で叱れないんですね。
子どもですから…本当に自分のことを考えてくれている人がどう振る舞うか?なんてわかりません。
なので羽母(乳母)として自分をとことん甘やかしてくれる浮雲(あせびの母親)を慕うようになります。
羽母(乳母)はあせびの母・浮雲
藤波の羽母(うば=乳母)はあせびの母、浮雲でした。
浮雲は、中央にある東家の屋敷から宗家の藤波の宮のもとに通っていたのですが、時折東家の屋敷に藤波を招待して娘のあせびと一緒に遊ばせていました。
なので藤波はあせびと姉妹のような間柄で、あせびのことを姉同様に慕い、「おねえさま」と呼んでいます。
浮雲は藤波をとことん甘やかして、怒ることなく自由に育てました。東家の屋敷で娘のあせびと遊ぶ時間が、息苦しい生活を送っていた藤波にとって幸せな時間となっていくのです。
皮肉なことに滝本の愛情は伝わらず、藤波は遊びに行くと甘やかし放題で優しくしてくれる浮雲になついてしまいました。
藤波に仕えていた滝本は、そんな生活の悪影響を気にしてさらに厳しく接するようになります。
藤波はますます滝本を嫌い、自分にやさしくしてくれる浮雲やあせびの言うことばかりを信じるようになっていくのです。皮肉なものですね。。
烏に単は似合わないのあと藤波が登場しない理由はなぜ?
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— 松崎夏未🪶烏主⑤巻2/22 (@m2zkna) May 13, 2018
画像は若宮殿下の妹宮 藤波です。長束とは異母兄妹にあたります。どちらかといえば今上金烏陛下に似てる。 pic.twitter.com/94TwNgVSEi
『烏に単は似合わない』のあと藤波がほぼ登場しない理由はなぜなのでしょうか。
藤波が2つの罪を犯したから
若宮(奈月彦)は藤波がお后選びで犯した罪を明らかにしました。
- あせびに肩入れして不正を行った(若宮から他の姫たちへの手紙を隠した)
- (故意ではないが)早桃(さもも)を殺害した
この2つが藤波が犯した罪です。明らかな不正行為と犯罪行為であるため、若宮といえども藤波の罪を問わずに済ませることはできませんでした。
それぞれ詳しく解説します。
后選びで不正を行いあせびに肩入れした
藤波は若宮の后選びで不正を行い、あせびだけが有利になるよう動きました。
具体的には、若宮とあせびだけが手紙をやり取りできるよう取り計らっていたことが判明します。
あせび以外の姫たちと若宮との間で交わされるはずだった手紙を、すべて自分のところで止めていました。
なぜそんなことをしたかというと、恋心を抱いている奈月彦と結ばれないのであれば、せめて姉としたうあせびが桜の姫(桜の姫とは現代でいう皇太子妃で、八咫烏シリーズでは奈月彦の妻)になることを願ったからです。
大好きな姉と大好きな兄が一緒になってくれれば、という考えは一国の内親王としては子供っぽすぎる考え方ですよね。
藤波の不幸な生い立ちを知ると、彼女なりに幸せな家族像を模索した結果だとは思います。
大好きなあせびが若宮に入内(結婚)をめざして登殿したことから、本当の姉になってほしいと思ったのではないでしょうか。
しかし、夫婦となるわけですから兄である若宮の気持ちや考え方が最も大切なはずです。それには全く考えが及ばないところは、子どもとしか言いようがないですね。
早桃(さもも)を死亡させた
藤波は、早桃(さもも)を死亡させてしまいました。早桃とは、あせびと歳が近い女房で、藤宮連という大紫の御前に仕える女性の一人です。
早桃が亡くなった原因は、藤波が早桃を桜花宮(若宮の后候補たちが登殿している場所)の崖の下へ突き落とし、殺してしまったからです。
桜花宮は男子禁制の場所です。后候補の姫宮たちは、外部との連絡も制限されています。しかしあせびは若宮以外の二人の男性と連絡をとっており、そのうちの一人とは実際に会おうとしていました。
ある日、あせびから「早桃が私のことを嫌いになって、浜木綿(早桃の主)に自分が下男を呼ぶことを言いつけるかもしれない」「そうすれば自分は宿下りをすることになる」と相談を受けた藤波。
あせびから「助けてほしい」と言われ、あせびと若宮の結婚を願う藤波は、早桃に高価な着物を与え桜花宮から追い出そうとします。
早桃から「あせびはあなたの思っているような人ではないかも」と言われるのですが、その言葉に激怒し、無理やり高価な着物を着せかけて結果的に彼女を突き落としてしまうのです。
普段は人間の姿をしていますが、山内に住んでいるのは八咫烏です。上流階級の烏たちを除けば、鳥の形になって飛ぶことができます。
藤波もそのことを知っていて、突き落としても飛べるはずだと考えていました。しかし、着物を着せかけたことで片方の腕が翼に変化せず、飛べないまま早桃は崖下に落下。死亡してしまいます。
藤波は、着物を着ていると転身ができないという事実を知りませんでした。ですので死ぬとわかっていてやったことではないのですが、人一人が死んだことをなかったことにはできませんよね…。
あせびのほうはというと、「わたしのためにしてくれたことなのに」「自分が誤解を招くような言い方をしたから」と、知らん顔で責任を全て藤波に押しつけます。あせびのサイコパスぶりがひどい(汗)
藤波は「あせびでなければ耐えられない」「こんな愚かな過ちを重ねた後でも、自分を嫌いにならないでほしい」と奈月彦に訴えかけます。
しかし、全ての真相を知った奈月彦から、「早桃たちにしたことを無かったことにはしない」と見放されてしまいます。
藤波は、愛する奈月彦に見放されたことが重く押しかかってしまい、抜け殻のようになってしまいます。
それとは対照的に、藤波の好意を利用してうまく立ち回ったあせびは、のちにとんでもないかたちで表舞台に返り咲きます。
その後藤波は『追憶の烏』まで登場しない
「追憶の烏/阿部智里」読了。すごい展開になってた。内容に触れるとどこの感想でもネタバレになってしまうレベル。これからどうなるのかしら。。 pic.twitter.com/NtGOi020T1
— きゃんち (@pjdwer) October 23, 2022
追憶の烏読み終えてしまった〜
— soh🐙 (@soh_sotakogashi) March 30, 2024
話が進むにつれてどんどん不穏になるし、やっぱり山内は滅びるしか今のところ見えない…
奈月彦の死もびっくりしたけど、もう皆んなで忘れてたであろう藤波の宮の感情一ミリも考えてなかったし、もう出てこないのではと思ったあせびもこんな形で出てくるとは
その後藤波は『追憶の烏』まで登場しません。その間はどのように過ごしていたのでしょうか?
その後大紫の御前に保護される
藤波は、その後大紫の御前の尼寺で預かりの身となります。
『八咫烏シリーズ外伝 烏百花 白百合の章』の「おにびさく」では、大紫の御前が職人たちに「鬼火灯籠」(おにびとうろう、ガラス製のランプ)を作らせています。
「心が明るくなるようじゃ」と可愛らしい金魚をあしらったものを買い上げるのですが、それは血の繋がらない内親王(藤波の宮)に贈られたとされ、城下で大流行しました。
大紫の御前が藤波を保護し、贈り物までするほど気にかけているのは意外に思えますよね。
ファンの間では、大紫の御前は血のつながった弟・融に懸想していたため、兄に恋情を抱いていた藤波を同類として憐れんだのではないかと言われています。
しかし藤波が大紫の御前に保護されたことが、最終的には若宮に降りかかる悲劇の引き金になってしまいました。
藤波の宮は『追憶の烏』でも大事件を起こす
藤波の宮は『追憶の烏』でも大事件を起こします。八咫烏シリーズ全体をゆるがす大事件です。
そして最後は早桃を突き落とした谷底に飛び降りて自害してしまいます。
こちらの記事で詳しいことを書いたので、よかったら読んでみてください↓
実はここで藤波が引き起こした事件が、あせびが表舞台に復帰するきっかけとなります。
散々あせびに利用され、長束や奈月彦に見放され忘れ去られてしまった藤波の人生が虚しく、悲しいです…。
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『烏は主を選ばない』は、同じ時系列で同時進行する姫宮たちの物語『烏に単は似合わない』と表裏一体のストーリーになっています。
2024年のアニメはこの2作品をまとめて映像化しますので、せっかく小説を読むなら2作品とも読むのがおすすめです。
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八咫烏シリーズ藤波が烏に単はに合わないの後登場しない理由まとめ
八咫烏シリーズの藤波について紹介してきました。『烏に単は似合わない』に登場した藤波の宮とは
- 『烏は主を選ばない』の日嗣の御子(奈月彦)の妹の内親王
- 母親を幼い頃に亡くしている
- 羽母はあせびの母の浮雲
- 養育係は藤宮連の滝本
『烏に単は似合わない』のその後藤波が登場しない理由
- 若宮の后選びで不正を行いあせびに加担
- 早桃を殺害してしまう
- その後大紫の御前の加護を受け尼寺へ
- 藤波の宮は『追憶の烏』で再登場し大事件を起こす
あせびという存在に大きく振り回されてしまう藤波ですが、藤波なしでは八咫烏シリーズは語れません。
藤波の立場を考えつつ読むと、八咫烏シリーズをまた違った角度から味わえるのではないでしょうか。