「奇兵隊戦記」奇兵隊が何をしたかわかりやすく読める歴史冒険小説をご紹介

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この記事では2024年10月、Amazonの20世紀の歴史小説部門で1位、ミステリー・サスペンス・ハードボイルド部門1位、日本史部門1位を獲得した『奇兵隊戦記』をご紹介します。

歴史小説が苦手な方でも楽しめる歴史冒険小説として、奇兵隊の活躍をわかりやすく描いた作品です。

歴史冒険小説『奇兵隊戦記』とは

『奇兵隊戦記』は、幕末の長州藩で結成された奇兵隊を舞台に、一人の青年の成長と革新的な部隊の活躍を描いた歴史冒険小説です。

あらすじ

主人公の伊助は小作農の出身。ある日、銃を手にしたことをきっかけに、その扱いに特別な才能を発揮し始めました。

奇兵隊に入隊した伊助は、その能力を活かし戦士として活躍します。

奇兵隊の特徴である「散兵戦術」は自が自分で判断し、進み、隠れ、撃つという戦法で、吉田松陰の「自主独立」の思想を具現化したものでした。

奇兵隊の軍監である山縣有朋は、松蔭の理想を貫こうとするのですが、同じ志の仲間を得ることができず孤独を感じていました。

庄屋の娘・いおりとの恋愛も経験しながら成長していく伊助と、理想を掲げて突き進む山形有朋の2つの軸で物語が展開していきます。

著者の天堂晋助さんはどんな人?

著者の天堂晋助さんは1968年、埼玉県川越市生まれ。安原顯氏の創設した創作学校で小説を学び、優秀賞を受賞。

学研主催の第二回歴史群像賞において奨励賞を受賞するなど、歴史小説の分野で高い評価を得ています。

「歴史読本」「歴史と旅」などで幅広く活躍し、著書「秦始皇帝と暗殺者」は日本図書館協会選定図書となりました。

安原顯さんといえば雑誌『marie claire』の名物編集長として有名だった方です。そういう方の学校で優秀賞を獲得されているので、すごいをお持ちなのだと思います。

歴史冒険小説『奇兵隊戦記』に込められた想い

山口県下関市 白石正一郎邸跡・奇兵隊結成の地

『奇兵隊戦記』の執筆にあたって、著者の天堂晋助さんは「一般小説として、歴史小説を読まない人にも面白い小説を書こう」という想いを持っていました。

「強力なリアリティを持つフィクション」を目指し、綿密な取材に基づいた歴史的背景と、読者を引き込む物語展開を両立させています。

私は試し読みを読んだのですが、山形有朋や高杉晋作の立ち居振る舞いが非常に細やかに自然に描かれていて、まるで見てきたような書き方だなと思ってしまいました。

歴史冒険小説『奇兵隊戦記』がおすすめの人

『奇兵隊戦記』は以下のような方におすすめです:

  • 歴史小説を敬遠していた方
  • 奇兵隊について詳しく知りたい方
  • 幕末の歴史に興味がある方
  • 人間ドラマとして歴史を楽しみたい方
  • 歴史的な背景を持つ冒険物語が好きな方

物語は、伊助が奇兵隊に入隊するきっかけを作った山縣有朋や、奇兵隊創始者の高杉晋作などがしばしば登場し歴史小説の雰囲気が強いです。

私は奇兵隊についてほとんど何も知らないまま読み始めましたが、主人公の伊助を通じて少しずつ奇兵隊に関する知識が増えていく感じが面白かったです。

また、伊助が普段は要領が悪く叱られてばかりなところはとても応援したくなりました^^

このあたりの設定は、普段は冴えない主人公(機動戦士ガンダムのアムロとか、ゼータガンダムのカミーユ・ビダンとか)が突然ニュータイプとして覚醒するのと似ています。

その一方で、初めて手にする複雑な機械や銃の構造や使い方を伊助が一目見ただけで理解し完璧に使いこなす様子には、異能者が登場する冒険ファンタジーの要素も感じられます。

また、奇兵隊って最後はどうなるんだっけ?と結末がわからないミステリアスなところもポイントです。

この作品が「歴史冒険小説」と呼ばれているのも納得ですね。文章は読みやすく、話の運びも自然なのでスムーズに読み進められる本です。

まとめ

歴史冒険小説『奇兵隊戦記』は、歴史冒険小説の枠を超えて、人間ドラマとしても楽しめる意欲作です。

歴史小説が苦手な方でも楽しめる作品として、ぜひ一度読んでみてください。

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