TVアニメ『烏は主を選ばない』の新章・『黄金の烏』（きんのからす）編が始まりますね。
このエピソードには小梅という少女が登場して、雪哉やその家族と関わりを持つようになります。
今回の記事では、苦労人･小梅の過去や家族のことを詳しくご紹介します。
ネタバレありですので、原作小説の八咫烏シリーズや漫画・アニメなどを未読・未視聴の方はご注意ください。
烏は主を選ばない･黄金の烏（きんのからす）の小梅とは？
『烏は主を選ばない』の新章・黄金の烏から登場するキャラクター、小梅について解説します。
父親の代わりに生活費を稼ぐ少女
小梅は山内の中央に住む平民の少女です。父親と一緒に暮らしていますが、働かずに酒を飲んでばかりの父親に代わって、自分が働いて食い扶持を稼いでいます。
彼女の父親は自宅の井戸から滋養に富んだ水をくみ、それを売って暮らしをたてていました。
しかしここ数年で井戸の水が干上がってしまい商売が立ち行かなくなると、働きもせずに酒に溺れるようになりました。
小梅は自分の稼ぎでなんとか父親と一緒に暮らしていた苦労人です。
猿に襲われた集落で一人だけ生き残った
小梅は猿に襲われた集落で一人だけ生き残ったことをきっかけに雪哉やその母親の梓と知り合います。
小梅と父親は、2台の荷車をひいた人夫とともに鮎の干物を売りに北領の田舎の集落に向かいました。
商談が成立したあと、集落の人々と囲んだ酒宴の席で小梅は眠ってしまいます。
若宮と雪哉が集落に駆けつけたとき、その場にいた猿は退治されましたが、人々が皆殺しにされたあとの血の海が広がっており、一部の者は体を刻まれ塩漬けになっていました。
小梅は棺の中でぐっすり眠っているところを雪哉と若宮に発見され、北領の郷長屋敷（雪哉の実家）の牢屋に入れられます。
小梅の行方不明の父親が猿を現地に引き入れたと見られることから、小梅自身も雪哉から「何か知っているのでは？」と厳しい追求を受けました。
しかし「父親の出稼ぎについてきただけだ」と繰り返す小梅が事件に関与した証拠はなく、彼女の身柄は郷長屋敷を切り盛りする雪哉の育ての母・梓の預かりとなります。
黄金の烏の小梅は隠し事をしている？
黄金の烏(きんのからす)から登場する小梅が何か知っているのではないか？と若宮や雪哉たちから疑われていますが、隠し事をしているのでしょうか？
雪哉に好意を持っていた
小梅は雪哉に好意を持っていました。突然父親が行方不明になって不安いっぱいの小梅に対して、雪哉が非常に優しく紳士的に振る舞ったからです。
雪哉に対して恥じらう様子が、雪哉から見ると隠し事をしているように思えた部分もあり、雪哉はずっと小梅が事件に関する秘密を隠していると疑っていました。
雪哉はものすごく計算高いので、小梅に信用してもらい心を開かせるために親切に振る舞っただけなんですが、小梅はそれを誤解したんですね。
雪哉と小梅は、「恵まれた家に生まれてなんの苦労も知らないくせに」とか「父親がいなくなったのに貴族の家で働けて幸せなんてどうかしてる」などとお互いへの誤解もあり当初は喧嘩になりました。
しかし兄弟のうち雪哉だけ母親が違うことや、小梅が生活費を稼いで父親を養っていることなどお互いを知り、素直に詫びの言葉を述べる雪哉の態度に小梅は信頼を寄せていきます。
逆に雪哉は小梅に対する疑いを強めていくところが、疑り深い本性があらわになって面白かったです。雪哉って根っこが腹黒なんですよねｗ
男を作って家を出た母親の存在を隠していた
実は小梅には、男を作って家を出ていった母親がいましたが、その存在を隠していました。
小梅は猿の事件で雪哉から全く信頼されていなかったことを知りショックを受けるんですが、そのとき自分に似た女性が目撃されていることを知り、母親が事件に関係していたことに思いあたります。
父親が突然干物の行商を請け負ったのは母親の差し金だと気付いたのに、身近にいた雪哉を信じられなくなった小梅はそれを誰にも相談できませんでした。
小梅は、父親を怠け者で気が小さく、どうしようもない人間だと思っていましたが自分への愛情を感じていました。
それに対して、自分を見捨てて別の男のもとへ走った初音のことは、彼女の浪費グセや悪事を働くことへのためらいのなさなども含めて嫌っていました。
真相を確かめるため母親のもとに単身乗り込んでいく小梅は、母親との決別のために行ったのだと思います。
「私は絶対にあんたみたいにならない」と宣言したとおり、小梅はやがて中央の東家で下女として働くことになります。
小梅の母親・初音の悲しい過去が猿出現の原因になった
小梅も苦労人ですが、実は小梅の母親の初音にも悲しい過去がありました。彼女が小梅ぐらいの年齢のとき、彼女の父親が娘を男たちに売り飛ばしたのです。
小梅はちょっと気が強い感じの可愛い女子なのですが、初音も小梅に似た美人なので、当時は非常にかわいらしかったことでしょう。
いつも擦り切れた着物を着て、美しいかんざしやきらびやかな着物にあこがれていた彼女は、父親に売られたことで男性に失望し、闇堕ちしました。
男に着物やかんざしを山ほど貢がせることが生きがいの、歪んだ価値観の持ち主に成長します。
自分に貢ぐ金がない男には用がない、という感じで結婚したあとも金の匂いのする方へと流れていきました。
自分に貢いでいる男が、高値で売れる薬「仙人蓋」（せんにんがい）を猿から手に入れていると知り、さらに多くの「仙人蓋」を手に入れるため小梅の父親を騙して猿の八咫烏狩りに協力させたのでした。
猿が八咫烏を食べることを知りながらも、お金のために元夫にその手引をさせるというのは…、まさにクズの所業です。理解に苦しみます。
しかも悪事がバレると小梅の首を締めて殺そうとするとか、いないほうがいい親って本当にいるんだなと思いました。
八咫烏シリーズではこれ以降初音は登場しないので、しかるべき裁きがくだされたのだと思います。
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『烏は主を選ばない』は、同じ時系列で同時進行する姫宮たちの物語『烏に単は似合わない』と表裏一体のストーリーになっています。
2024年のアニメはこの２作品をまとめて映像化しますので、せっかく小説を読むなら2作品とも読むのがおすすめです。
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烏は主を選ばない･黄金の烏の小梅まとめ
『烏は主を選ばない』の新章・黄金の烏から登場するキャラクター、小梅について解説してきました。
- 小梅は父親の代わりに生活費を稼ぐ少女
- 猿に襲われた集落で一人だけ生き残った
- 黄金の烏の小梅は雪哉に好意を持っていた
- 男を作って家を出た母親の存在を隠していた
- 小梅の母親・初音の悲しい過去が猿出現の原因になった
親子とは？幸せとは？と掘り下げたくなる深い内容もありつつ、第一級のエンタメとして非常に楽しめるシリーズなので、ぜひ皆さんに読んでいただきたいです！
『烏は主を選ばない』や『烏に単は似合わない』を読むのがベストですが、『黄金の烏(きんのからす)』から読み始めても十分に楽しめる作品ですよ～
まんがのストックは1期アニメで使い果たしているので、ぜひ小説で楽しんでください＾＾
