千と千尋の神隠しの両親がクズで非常識?お母さんの名前やお父さんの仕事からも考察

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ジブリ映画『千と千尋の神隠し』は冒頭から両親が豚になったりと色々インパクトがありますが、私が気になったのは千尋の両親の態度です。

食欲を抑えきれずに無人のお店で断りなく料理を食べるシーンで、え?そんなことしちゃうの?とめちゃくちゃ驚きました。

千尋の両親については非常識でクズだという感想を持つ人が多いようです。宮崎監督はなぜこのような両親を描いたのか、改めて理由を考察します。

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千と千尋の神隠しで両親が非常識でクズと言われる理由は?

自分以外にも同じポイントが気になる人がたくさんいることを知って色々と記事を読み漁ってみると、両親を非常識でクズと思う理由は大きく二つあると思いました。

常に自分の欲望を最優先させるところと、子どもへの思いやりがないところです。

常に自分の欲望が最優先なポイント6つ

千尋のお父さんもお母さんも、自分たちが”こうしたい”と思ったらその気持ちを止めることができないようです。

他人の目があったらやらないようなことも、家族しかいない場所ならOKだよね、という甘い考えで突っ走っています。

具体的な例を集めてみました。

初めての土地で無計画に脇道に入る

千尋のお父さんは、引越し先の家に向かってドライブしていますが、新しい家の近くで道を間違えたことに気づきます。

初めての場所なのに「このまま行って行けるのかな」「ちょっとだけね」などとお母さんが止めるのも聞かずにどんどん先へ車を進めます。

普通に考えて道に迷うのが当然で、引っ越しトラックが来る予定がある人が取る行動ではないでしょう。

山道を爆走ドライブ

先に進むと決めたらスピードを緩めずに山道を爆走するお父さん。車一台が通るのがやっとの道幅なのに、もし対向車や歩行者がいたらどうするんでしょうか?

危険運転致死罪で捕まってもおかしくないかもw

トンネルの向こうを見ずにはいられない

千尋が行きたくないというのに、お父さんは全く聞く耳持たずトンネルのほうに行ってしまいます。

お母さんは一応お父さんを止めに入るものの、本気で止めようと怒るということはなく、ついていってしまいます。

初めての場所で子どもがトンネルに走っていこうとするのを、危ないからと大人が止める図が普通じゃないでしょうか。

子どもより自分が歩きやすいことが大事

お父さんについていきたいという気持ちを優先させたお母さんは、怖がる千尋が体を擦り寄せてくるところへ「千尋、そんなにくっつかないで。歩きにくいわ。」と言い放ちます。

子どもの気持ちより、自分のあるきやすさ優先かよ!とツッコミたくなるところです。千尋が気の毒になりますね。

食欲を抑えきれず無断飲食

この映画を見た人全員が唖然とするのが、お父さんもお母さんも無断で屋台の料理を食べるシーンではないでしょうか。

この人達は無断でお店の商品を食べちゃうの?とびっくりしますよね。その様子を見ていた千尋が「ねぇ帰ろ、お店の人に怒られるよ。」と正論を言ってもお構いなし。

湯婆婆によると「おまえの親はなんだい?お客さまの食べ物を豚のように食い散らして。当然の報いさ。」というわけで、豚にされてしまいました。

男性に頼るかわいい女性でいたい

お母さんは男性に頼る可愛い女性でいたいようです。お父さんが「足元気をつけな」とお母さんを気遣い、お母さんがお父さんに寄り添うシーンがあります。

「千尋、はやくしなさい。」と呼ぶなど千尋のことを忘れてはいないようですが、気持ちの大部分はかわいい妻であることを大事にしているように見えてしまいます。

ゴールドの大きなアクセサリーや赤い口紅からもそういう気持ちが読み取れますね。

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千尋の気持ちを無視する冷たいポイント5つ

ネット上で千尋の両親を「クズ」と呼ぶ人たちは、みんな”千尋に対する態度が冷たすぎる”と両親の千尋に対する接し方を批判しています。

どういうところが批判のポイントになっているか、まとめてみました。

千尋がいやだというのにどんどん先へ行く

千尋が”自分は行きたくない”と何度も伝えているのに、両親はトンネルに入ってしまいました。

トンネルの建物が見える場所で「ちょっと行ってみない?むこうへ抜けられるんだ。」というお父さんに「ここいやだ。戻ろうおとうさん!」と言っています。

さらにもう一度「いやだ、わたし行かないよ!戻ろうよ、おとうさん!」、最後に「わたし行かない!!」と3回も行きたくないと伝えているのに、千尋の気持ちは無視です。

ここでお母さんが千尋と一緒に残ってくれればいいのですが、そうはなりませんでした。

千尋を車に置いていこうとする

初めての場所で道に迷ったというのに、千尋一人を車に置いてトンネルの向こうを探検しに行こうというのは、子どもの不安に寄り添おうとしないダメ親の態度ですよね。

この両親は本当に自分たちの欲望に素直すぎるぐらい素直で、子どもの要望はまるごと無視しています。

歩きにくいから体を近づけるなと言う

「千尋、そんなにくっつかないで。歩きにくいわ。」と千尋が体を寄せてくるのを拒否する母親。お母さんにこういう態度をとられると、子どもはきっと悲しくなりますよね。

千尋は10歳。そもそも怖くなければお母さんにくっつこうとは思わない年齢です。一人っ子で甘えん坊な部分があるにしても、怖いときぐらいくっつかせてあげようよ!と言いたくなります。

怖がる千尋をフォローしない

お父さんもお母さんも、怖がってなかなか進めない千尋をフォローしようとしません。

川を作ろうとした場所を渡るとき、お父さんは「足もと気をつけなよ」とお母さんを気遣います。しかし母親は千尋に対して「 千尋、はやくしなさい。」というだけで手を伸ばしたり、待っていることもなく先に進んでしまいます。

子どもにとって怖い場所を渡ろうとしているのに、ちょっと冷たすぎると感じる人が多いのもうなずけます。

無断飲食をやめない

たくさんのごちそうを前にして、食欲を抑えきれず無断で食べ始める両親。

ここで「ねぇ帰ろ、お店の人に怒られるよ。」と千尋だけが正しいことを言っていますが、両親は美味しそうな料理にかぶりつくのをやめません。

お母さんは「千尋もおいで、おいしそうよ。」なんて言ってますw普通なら食欲を抑えられないのが子どもで、親は「お店の人がいないなら諦めて帰ろう」っていう場面ですよね。

そんなことするから豚になっちゃうんだよ、と誰もが思ったシーンじゃないでしょうか。

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千と千尋の神隠しで両親が非常識でクズな設定なのはなぜか?

千と千尋の神隠しで両親が非常識でクズなのは、宮崎駿監督が意図的にそういう設定にしたからです。

どのような意図でこういう設定になっているのか考察してみました。

千尋の両親は欲望のままに突っ走ったバブル時代の日本の象徴

千尋の両親はバブル時代の日本の大人たちのイメージから生まれたキャラクターだとされています。

この映画が公開された2001年は、1990年のバブル崩壊から日本経済が低迷し続けた状況が”失われた10年”と言われていた頃です。

宮崎監督は子ども(次の世代)のことを考えず欲望のままに突き進んだ大人たちを千尋の両親で表現したと言われています。

お父さんはバブル時代に最も羽振りが良かった建設業界の人

千尋のお父さんは、お金で欲望を満たしていた時代を象徴する人物像になっていると見ることができます。

お父さんの名前は荻野 明夫(おぎの あきお)。38歳で建設会社に務めるサラリーマンだそうで、トンネルがモルタルでできているとか、川を作ろうとしたんだなとか建築に関する指摘をしていますね。

バブル時代は不動産の価値が実際の価値以上に高まり、マンションが高値で売れたので建設ラッシュに。お父さんは大儲けしている会社の社員だったはずです。

お給料もどんどん高くなっていった時代なので、お給料が入ったら飲み歩いたり、ブランド物を買い漁ったり海外リゾートに行ったりということをごく普通の人がみんなしていました。明るい・夫という名前は、当時将来を悲観する人などいなかった状況によく合っていると思います。

愛車のアウディ・A4クアトロからも、羽振りの良い生活が伺えます。というのも、この車は現在のモデルを新車で購入しようとすると約600万円。かなりの高級車ですよね。

この車は世界で初めて本格的に乗用車に「フルタイム4WD」を搭載した人気車でしたし、アウディは当時お金持ちのステータス・シンボルでした。

新しい家を買っていい車に乗り、美味しいものを食べ、楽しく遊ぶ。自分の欲望に忠実に行動し、お金でその欲望を満たす。それがバブル時代の大人たちがしたことで、千尋の父はその姿を象徴していると思います。

お母さんはゴールドのイヤリングとお化粧で当時の女性のイメージを体現

千尋のお母さんはバブル時代の雰囲気を残し、お父さんの意志に反発することのない女性として描かれていると思います。

お母さんの名前は荻野 悠子(おぎの ゆうこ)。35歳という設定です。彼女が身につけているのは、鮮やかな色の口紅やゴールドの大ぶりきなアクセサリー。バブル時代に流行していたものを思い出させます。

当時女性の社会進出はある程度進んでいましたが、結婚したら家庭に入って主婦になることがごく普通の選択肢だった時代です。

お給料が良かったので共働きでなくても十分に生活を楽しむことができていましたし、経済的に夫に頼っている主婦であれば、何をするにしても夫の意向を尊重するのが当たり前と考えても不思議ではないですよね。

悠子と言う名前も、ゆったりと構えて余裕のある感じがして、当時のイメージに合っていると思います。

このように、宮崎監督は千尋の両親にバブル時代への皮肉を込めた非常識でクズなキャラ設定をしていたと考えられるのではないでしょうか。

千尋の両親がクズで非常識な理由を名前や仕事含め考察のまとめ

千と千尋の神隠しで両親が非常識でクズなのは、宮崎駿監督が意図的にそういう設定にしたから。千彼らはバブル時代の日本の大人たちのイメージから生まれたキャラクターだとされています。

常に自分の欲望が最優先なところや、千尋の気持ちを無視する冷たい態度が批判の対象になっています。その姿はのちの世代のことを考えずに欲望のままに突き進んだバブル時代の日本人を象徴しています。

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