『薬屋のひとりごと』の楼蘭(ロウラン)妃の正体は子翠(シスイ)だったことがわかっています。
私は原作小説から読みましたが、正直いって楼蘭妃=子翠だったことはすぐには理解できませんでした。時々難しいんですよね、薬屋って…。
今回は楼蘭の正体が子翠である証拠や、なぜそんな変装・入れ替わりをしたのか楼蘭(子翠)の目的、そして猫猫にバレた理由を解説します。
『薬屋のひとりごと』の楼蘭妃の正体は子翠
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『薬屋のひとりごと-猫猫の後宮謎解き手帳-』は、後宮の北で皇太后を見かけた猫猫。その後翡翠宮を訪ねてきた皇太后から、ある依頼が??
四枚目はかわいく描けた子翠。#薬屋のひとりごと #サンデーGX pic.twitter.com/a1XymfVS4z
『薬屋のひとりごと』の楼蘭妃の正体は子翠でした。楼蘭妃と子翠がそれぞれどんなキャラクターとして登場したのかご紹介します。
楼蘭(ロウラン)妃とは?
楼蘭妃は宮廷に大きな影響力を持つ子一族の長、子昌の娘です。4人いた上級妃のうち阿多(アードゥオ)妃の後釜として鳴り物入りで後宮に入りました。
初登場は小説2巻の3話「後宮教育」で、猫猫が上級妃たちに夜伽のテクニックを教えたエピソードです。猫猫は初めて異国の羽飾りをつけた楼蘭妃の姿を見ました。
ちなみにこのお話は、ねこクラゲ作画『薬屋のひとりごと』では23話、倉田三ノ路作画『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』では17話になります。
50人もの付き人を従えたど派手な妃の出現に後宮は話題騒然となっていた時期で、彼女は噂通りの派手な装いで目尻に濃い化粧を施していました。
後宮に入って半年も経つと、しょっちゅう見た目が変わるので別人を相手にしているようで疲れると皇帝がぼやく描写が出てきますw
皇帝が感じていたとおり、楼蘭が子翠としてウロウロしている間は顔がよく似た侍女が入れ替わり代理を務めていました。
猫猫が姿を消したとき初めて壬氏が楼蘭の入れ替わりに気づきます。身代わりの侍女を「猫猫はどこだ」と本気で脅して失禁させていました…。壬氏様、気持ちはわかるけど焦りすぎです!
子翠(シスイ)とは?
子翠は背が高く顔立ちが幼い下女で、少し舌足らずな話し方をします。初登場は小説3巻2話の「猫」でした。
玉葉妃とその娘の鈴麗公主(リンリ―ひめ)のお散歩についていった猫猫は、どこからか迷い込んだ猫と遭遇。ひめの要望で捕まえようとしますが逃げられます。
その時猫を捕まえたのが下女の服を着た子翠でした。その後も隊商の市でお茶を飲む、お風呂で湯女をする、アイスを一緒に食べるなど小蘭・子翠・猫猫の3人は仲良くなっていきます。
子翠は人懐こい性格で、猫猫が薬に目がないのと同じように虫を愛しており、似たような指向を持つもの同士うまがあう相手になっていました。
しかし子翠に会うたび猫猫はどこかチグハグな印象を持ち、怪談話を聞いたときは別人のような語り口に感心して話を聞いたりとしっかり伏線が貼られていました。
楼蘭妃の正体は子翠だった
楼蘭妃の正体は子翠でした。
それがはっきりわかったのは、楼蘭妃がつけていたのと同じ異国の羽飾りをつけて「楼蘭」と呼ばれる子翠を猫猫が目撃したときです。
タイミングとしては猫猫が子翠・翠苓に子の一族の領地に連れてこられ、監禁場所から抜け出したときのことでした。
楼蘭妃が子翠になった目的・理由は?
楼蘭妃が子翠になっていた目的・理由は、一言で言うなら母親である神美(シェンメイ)の復讐に協力するためです。
具体的には東宮(帝から皇位を継承できる男子)を生むことと、他の上級妃やその子供を殺害するか後宮から追い出すための情報収集が楼蘭妃の役割でした。
この情報収集のために楼蘭妃は子翠に変装していました。
楼蘭(子翠)が協力させられた神美の復讐とは?
楼蘭(子翠)が協力させられた神美の復讐とは「国を滅ぼすこと」でした。
楼蘭の母親・神美(シェンメイ)は先帝の妃として後宮に入りましたが、自分の侍女の幼女だけがお手つきになり、自分は手を付けてもらえず子昌に下賜された経歴の持ち主です。
先帝は幼児性愛者だったので神美に問題はなかったんですが、世間からはそう見えません。
先帝に大恥をかかされたと逆恨みして皇族への復讐を誓っており、子昌との子供である子翠だけでなく子昌の先妻の子供(子翠の異母兄弟)の翠苓も精神的に支配して利用しています。
具体的には
- 子翠を楼蘭妃として後宮に入れ東宮(男の子)を産ませる⇒帝にして子一族が実権を握る
- 上級妃とその子供を毒殺⇒皇位継承者を抹殺
- 壬氏を事故に見せかけ殺害⇒皇位継承者を抹殺
- 新型の飛発(フェイファ、拳銃のこと)の開発と量産
- 子の一族の領地に立てこもり反乱を企てる
こういった方法で国を乱し、乗っ取ろうとしました。
しかし子翠と翠苓が猫猫を誘拐・監禁したことがきっかけで壬氏率いる禁軍に征伐されることになってしまい、神美の目論見は失敗しました。
薬屋のひとりごとの楼蘭妃は子翠になって何をしていた?
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楼蘭妃は子翠という下女になって何をしていたのでしょうか?
翠苓と連絡をとっていた
楼蘭は異母兄弟である翠苓と直接連絡をとるため子翠になっていました。二人は神美(シェンメイ)が企てた子一族の反乱の準備を手伝わされていました。
そのためいつ後宮を抜け出すかなどさまざまなことを密かに打ち合わせる必要があったはずです。
楼蘭妃は柘榴宮という住まいをあてがわれ、自由な外出を制限されて誰と会っているかなどもすべてチェックされています。
しかし下女ならば医局にお使いに行ったり、お風呂で湯女をするなど後宮の中なら比較的自由に出歩く事ができます。
医局に出入りする女官やお風呂の湯運びをする宦官だった翠苓と連絡をとるには下女になったほうが便利だったのでしょう。
情報収集をしていた
子翠は後宮で情報収集をしていました。猫猫が子翠と知り合ったのは小蘭を通じてだったことがポイントです。
小蘭は噂話と甘いものが大好きなので、甘いものが苦手な猫猫は自分のおやつを提供する代わりに彼女から様々な噂話を仕入れていました。
子翠も猫猫と同じように噂話に詳しい小蘭に目をつけて情報源にしていたのでしょう。
湯女として上級妃のマッサージを引き受けていたのも、身体も心も緩んだ妃たちから色々な話を聞くためだったと思われます。
ただし里樹妃が共同浴場に来たときは直接マッサージや会話をすることは避けて、ほかの上級妃の世話をしに行っていました。
薬師を探していた
子翠には腕のいい薬師を探す目的もありました。神美が「新しい薬師がほしい」と言っていたのも理由の一つですが、もう一つ別の目的もありました。
子翠と翠苓は異母兄弟で、ともに子翠の母親・神美(シェンメイ)の復讐(子一族を巻き込んでいる)に協力していましたが、それが失敗することもわかっていました。
子翠は翠苓が「蘇りの薬」と呼ぶ薬を使って子の一族の子どもたちを一度死なせることによって子一族の罪から逃れさせようと考えます。
人間をしばらくの間仮死状態にする薬を使うため、子どもたちが目覚めたとき腕のいい薬師にその場にいてもらう必要がありました。
なので猫猫の薬師としての知識に期待して誘拐・監禁し、壬氏ともつながっていることから子の一族の子どもたちの未来を託したのでした。
堕胎剤を調達していた
子翠は堕胎剤を調達していました。
楼蘭妃として後宮にいる限り、本来は帝の子供を生むことが仕事ですし母親の神美も将来帝となる東宮が生まれることを望んでいました。
しかし子翠は堕胎剤の効果があるほおずきを食べたりジャスミン茶を飲んでいたので、妊娠を避けていたことがわかります。母親の命令に背き、復讐の邪魔をしたことになりますね。
その理由は、子翠が母親になることを嫌ったからです。子翠が物心ついたときから母親のシェンメイは子翠に厳しすぎるしつけを行い、子昌の先妻の子供・翠苓を虐待してきました。
翠苓の母親をいじめて死に追いやり、男娼たちと遊び呆けて夫の子昌の愛情を顧みない生活を続ける母親を見て育った子翠は、母親になるのが絶対嫌だったのでしょう。
虫を観察していた
子翠は虫の観察が趣味でした。楼蘭妃としての役目を離れて大好きな虫を捕まえる時間をかなり楽しんでいたようです。
子翠は年季の入った虫かごを持ち歩いて虫を捕まえており、詳細な観察図を描き記したり、猫猫を相手に40分以上も虫について語ったりなどかなりの虫マニアです。
下女の格好をしていれば、後宮内の畑や荒れ果てた桃園をうろついていても気にする人はいません。
実は楼蘭妃になっているときも虫をモチーフにした耳飾りやかんざしを身につけています。
猫猫が楼蘭の正体に気づいた理由はなぜ?
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猫猫はなぜ楼蘭の正体に気づいたのでしょうか?
子翠は教養がありすぎたから
子翠は下女としては教養がありすぎました。
子翠は虫が好きで後宮の野原や畑で虫を見つけると細部まで観察してスケッチしていました。
スケッチには絵だけでなく虫の名前が描かれていたので、かなり難しい字まで読み書きできることがわかります。
また、自分の母親について語るときに「お母さま」と呼ぶ、ジャスミン茶を見ても驚かない(飲んだことがある)、歯が欠けたべっこうの櫛を持っているなど小蘭と比べて庶民らしくない部分が目立っていました。
猫猫が”どこかちぐはぐな”印象を感じていたとおり、見た目の貧相さよりも中身がかなりお嬢様であることが何度も匂わされています。
子翠が氷菓(アイス)を食べに来たタイミングが絶妙すぎた
他にも楼蘭=子翠だとわかる証拠として、アイスを食べに来たタイミングが絶妙だったことが挙げられます。
小蘭が台車で氷を運んでいたとき、うっかり地面に落として氷を汚してしまった時のことです。
氷は楼蘭妃のおやつにかき氷として出されるはずでしたが、落としてしまっては食べることができません。
現場にいた猫猫が代わりのおやつを作ることを申し出て、氷で金属の器を冷やしながら牛乳とお砂糖と果物でアイスを作りました。
楼蘭妃のもとにアイスが運ばれていってまもなく、小蘭と猫猫が器に残ったアイスを食べようとすると子翠がそこにいて器を抱えていました(笑)
アイスが出来上がったとたんに現れるところが怪しさ満点ですよね~
楼蘭妃の毒見役がアイスを食べて「これは安全。しかも絶品!」とわかったんじゃないでしょうか。
楼蘭妃用のアイスは侍女や宦官たちに食べさせ、楼蘭(子翠)自身は残ったアイスを目当てに厨房に駆けつけたのでは?と思います。
子翠が堕胎剤の鬼灯(ほおずき)を食べていたから
子翠は鬼灯(ほおずき)を食べていました。また、隊商が来たとき高級なジャスミン茶を買っていました。
ほおずきの実やジャスミンティーには堕胎剤(妊娠を止める薬)の作用があります。
ほおずきはおいしくないので食べ物としても普通は食べませんが、子翠は慣れた様子だったので何度も食べた事があるのでしょう。
後宮で女官を妊娠させられる人物は皇帝だけですから、堕胎剤が必要ということは楼蘭妃として皇帝の夜の相手を務めたことになります。
現帝は胸の大きな女性が好みですが、湯女をしているとき猫猫は子翠の胸にある程度立派なものがついていることをチェックしていました。なので帝のお手つきがあってもおかしくありません。
薬屋のひとりごとの楼蘭はその後死亡?生きてるのかネタバレ解説
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楼蘭はその後生きてるのかネタバレ解説していきます。
子翠は猫猫と壬氏に子一族の子どもたちを託した
子翠は猫猫と壬氏に子一族の子どもたちを託しました。甘いジュースに蘇りの薬を混ぜて飲ませ、仮死状態にしたのです。
楼蘭(子翠)は猫猫を誘拐して帝の許しなく後宮を脱走したうえ、子一族の謀反に加担した重罪人です。死罪は免れないと本人もわかっていたと思います。
子翠は幼い子どもたちまで謀反人として殺されることがないよう、死体として偽装するため蘇りの薬を飲ませ猫猫に後を託して一族のもとに戻ろうとしました。
その時猫猫は「願かけ」だと言い壬氏からもらったかんざしを子翠の胸にさしてあげます。
楼蘭の格好の子翠の頭にたくさんのかんざしが刺さっていたからですが、この願かけが子翠の命を救いました。
楼蘭(子翠)は崖から落ちて姿を消した
楼蘭(子翠)は壬氏が見ている前で禁軍の兵士に拳銃で胸を撃たれ、崖から落ちました。
しかし崖下を捜索しても遺体は見つからなかったので、どこかへ運ばれたか逃亡したようです。
どうして助かったんだろう?と疑問に思ってたんですが、玉藻という少女が自分のかんざしを露天商に売るシーンで子翠が助かった理由が明らかになりました。
玉藻として生きている
子翠は玉藻という名前で生きています。これは原作者の日向夏先生もブログで認めていることで、「玉藻の名前の意味が分からなかったら調べてみるといいです」と書いておられました。
平安時代後期に博識と美貌で鳥羽上皇に愛されたと言われる伝説上の人物で、江戸時代には九尾の狐の化身として語られるようになった。中国の周の十二代の王幽王の后・褒姒(ほうじ、亡国の美女として有名)も九尾の狐とされ、王の死後遣唐使の船で日本に渡ってきたという説もある。
エピソードとしては原作小説4巻の終話で玉藻と名乗る少女が宝石の露天商に物々交換を持ちかけるシーンで玉藻=子翠と判明します。
その少女はセミの形の玉を手に入れるため自分のかんざしを差し出しました。
かんざしの細工は非常に見事でしたが、平べったい部分があり何か丸いものが埋め込まれたような跡がついています。
これって…飛発(フェイファ・拳銃のこと)の弾がかんざしに当たったから子翠は無傷だった、ってことじゃないですかね?
虫が大好きだった子翠ならセミを手に取るのは当然ですし、かんざしは本当にお守りになったんですね!
玉藻という少女は「海の向こうとか面白そうだよね」と遠い島国からわざわざやってきた船がいる港に向かって走り去りました。まさに玉藻前伝説のような展開です。
作中で子翠の父・子昌はたぬきに例えられ、悪役の汚名を着たまま死んでいきます。子翠は「私もお父様以上の役者になれるかしら?」と楼蘭を演じたまま姿を消しました。
周囲を騙す女性はよく狐に例えられますし、子の一族の神社に祀られていたのは狐神さまです。子翠は本当に九尾の狐だったのかもしれません。
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2種類の漫画の違いやクーポンのもらい方、他のサービスの値段をチェックしてから、という方はこちらの記事をどうぞ↓
薬屋のひとりごと楼蘭妃の正体は子翠!その後生きているかまとめ
薬屋のひとりごとの楼蘭妃の正体は子翠でした。彼女が変装し楼蘭妃が侍女に入れ替わっていた目的や猫猫にバレた理由を解説してきました。
- 楼蘭妃は異国の羽飾りをつけるなど派手な装いと取り巻きの多さで話題の上級妃
- 子翠は背が高く幼い印象で舌足らずな話し方をする下女
- 楼蘭=子翠とバレたのは子一族の砦
- 楼蘭(子翠)は母親神美の復讐に協力させられていた
- 楼蘭が子翠になっていた目的・理由は情報収集や連絡が主な目的
- 猫猫が楼蘭=子翠に気づいたのは教養があること・アイスを食べに来たタイミング・ほおずきを食べたことが理由
- 楼蘭(子翠)は玉藻として生きている
以上がまとめとなります。
薬屋のひとりごとの小説は情報量も多くて言葉が省略されていることが多いと感じます。
そこがまたミステリ好きの心をくすぐるポイントで、何度読んでも楽しめる作品なんですよね~。
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