ショーシャンクの空にアンディが真犯人?後味悪い理由やサイコパス説の考察も

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『ショーシャンクの空に』は妻と間男を殺した冤罪で服役を余儀なくされた銀行員が、20年近くにおよぶ刑務所生活でも希望を失わずに生き抜くヒューマン・ドラマです。

1994年の公開時の興行成績はさほど奮わなかったものの、翌年には全米で最もレンタルされた映画となり、その人気は現在も続いています。

最近見たときに、アンディの罪は本当に冤罪か?真犯人は別のサイコパス男性なのか?と疑問に思うようになったので、ストーリーの矛盾を確認しつつ考察してみたいと思います。

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ショーシャンクの空に・真犯人はアンディか考察

映画では有罪を言い渡されるアンディ。本当に彼が真犯人なんでしょうか?

銀行員だったアンディが強い酒をがぶ飲みして銃に弾を込めるシーンがある

事件の日にアンディが強い酒をがぶ飲みして銃に弾を込め、車から出て事件現場に向かうシーンがありました。

裁判の証言の中で、アンディ自身がその行動を認めています。現場ではアンディの指紋がついた銃が見つかっていることから状況証拠もそろっています。

刑務所内でのアンディは冷静沈着で忍耐強く計画的な人物

刑務所でのアンディは、目標を設定したらそれを達成できるまでコツコツと地道に努力する人物。

ロックハンマーで石を削ってチェスの駒を作ったり、州議会に6年間もの間毎週手紙を書いて図書室に予算をつけさせたりなど驚異的な忍耐力を発揮しています。

それに若くして銀行の副頭取になったことからわかるように、知識も豊富で非常に頭が切れる人物です。

刑務官の理不尽な暴力にも怒りを見せない自制心の高さ、自分の得意なことを生かして所長との関係を築き、裏帳簿を任されるようになるまでの見事さは脱帽ものですね。

そういう人物が妻の浮気の気配に全く気づかなかったり、事実を知ってカッとなり酒を飲んで妻と間男を銃殺するというのは、ちょっと考えにくい面があります。

刑務所の屋上の防水塗装のとき刑務官に節税アドバイスをしたことから、アンディはご褒美として仲間へのビールを獲得しますが、このとき「酒はやめた」と言って飲みません。

晴れ上がったいい天気の屋上で、刑務所内では飲めないキンキンに冷えたビールを「飲まない」といえるほど意志が強い人が、なぜ妻を殺したときは酒を飲んでしまったんでしょうか。

さらに、カッとして銃を持ち出すということも普段の性格的にはありえないと思います。

妻と愛人を殺したことが衝動的な犯行だった可能性は残る

アンディは鉄の意志の持ち主ですが、妻と愛人を殺したことが衝動的な犯行だった可能性は残ります。

映画の中で、アンディは古本に紛れ込んでいたレコードを大音量で刑務所中に流し、所長に止めるよう言われると逆に音量を上げるという行動に出ました。

刑務官や所長からひどい暴力を受けたり懲罰を受けたりすることがわかっているのに、です。

つまりどうしても何かをやりたいと思ったとき、自分を抑えられなくなる性格だという証拠ではないでしょうか。

なので妻と愛人を射殺したいという衝動に負けてしまい、ついには実行しまうこともありえると思います。

もし彼が本気で殺害計画をたてたとしたら、何の証拠も残らず犯人がわかるような犯罪は行わないでしょう。

アンディが真犯人だとしたら、衝動的な行動が原因だと思います。

ショーシャンクの空に・真犯人は別のサイコパス男か考察

『ショーシャンクの空に』では、アンディの妻と愛人を殺害した可能性がある人物がちらっと登場しました。

その男が犯人である可能性を考察します。

真犯人はエルモ・ブラッチ?

トミーは、アンディが文字の読み書きから教えて高校卒業資格を取るまでになったコソ泥で、あちこちで盗みを働いては刑務所から出たり入ったりを繰り返していました。

彼はある日、4年前に収監されていたトマストン刑務所で同じ房にいた男から「プロゴルファーとその女を殺したが、代わりに捕まったのは女の亭主の銀行員だった」という自慢話を聞いたと打ち明けます

その男の名前がエルモ・ブラッチでした。

サイコパスというのは一般的に他人の痛みや悲しみへの共感性が低く、人を操ることが上手で自慢話が大好き。殺人を繰り返しても平然としています。

ブラッチはゴルフ場に出入りするターゲットに適当に目星をつけ、家に進入して殺害することを繰り返していました。

それを自慢するあたりがまさにサイコパスですね。

エルモの証言はアンディの裁判と矛盾・真犯人と断定できず

しかしアンディの証言とエルモの証言には矛盾があり、エルモ・ブラッチが犯人とは断定できません。

法廷の検事の証言では、アンディの妻と間男は抱き合って死亡していたと説明されています。

しかしエルモはまず男性に抵抗されて殺し、次に女性の命を奪ったと語っていました。

また、裁判では一人に4発ずつの銃弾が発射されていたことから怨恨による殺人という見立てが行われていました。

エルモのように殺人を繰り返しているサイコパスが、一人に4発も弾を発射するような執念深さを持っているようには思えません。

あるいは逆に何発も銃弾を撃ち込むことに喜びを感じているのかもしれませんが、トミーの話だけではその辺りの判断がつきかねます。

なので、動機としては妻を寝取られた怨恨によってアンディが妻もろとも愛人も殺害したと考えるほうが納得しやすいですが

エルモの自慢話が事実なら、アンディは無罪かもしれないということになります。

『ショーシャンクの空に』の真犯人がわからなくて後味悪い!

普段からミステリーが好きなせいか、何か事件が起きるとどうしても真犯人を探したくなってしまいます。

『ショーシャンクの空に』が非常に面白い映画であることは間違いありませんが、結局真犯人は断定できないまま映画が終わるんですよね。

そのせいか見終わったあとでちょっとすっきりしない感じが残ります。

こんな風に後味が悪いのはなぜなのか、考えてみました。

真犯人がはっきりせずアンディが善人か悪人かわからない

真犯人がはっきりしないため、アンディが善人か悪人かわからないところが後味が悪い原因だと思います。

もしアンディが無実の罪で投獄されていて、本人が言うように「刑務所に入ってから本当の罪人になった」のなら、「自分が銀行の副頭取として得るはずだった金を手に入れ、別人としてではあるものの自由な人生を生きることに成功した不屈の人」ということになるでしょう。

もし本当は殺人を犯していたのだとしたら「殺人の罪で20年近く服役したものの、刑務所内の環境を改善するなど罪を償ったあと、刑務所長が不正に貯め込んだ金を横取りして脱獄。別人になりすまして生きるあっぱれな犯罪者」という見方ができます。

このあたりがどっちつかずなので、気になる人はもやっとして後味が悪い映画だと感じるのではないでしょうか。

また、もし無実だとしても、そして刑務所長が極悪人だったとしても、他人の金を奪い法の網目をくぐり抜けて別人になりすますのは道徳的に許されるのか?と感じる人もいるかもしれません。

脱獄の疑問や矛盾が解消されないことも後味が悪い原因

脱獄に関する矛盾や疑問が解消されないことも後味が悪い原因だと思います。

アンディとエルモの証言の食い違いのほかに、次のような矛盾が指摘されています。

  1. トンネルを隠すポスターはどうやって貼った?⇒監督が設定ミスを認めている
  2. ロックハンマーでトンネルが掘れる?⇒原作ではロックハンマー2本目で達成、当時のコンクリートの脆さに言及あり
  3. 岩で簡単に下水管が壊れるのか?⇒原作では交換時期が迫る陶器の管という設定

映画にはこういった疑問や矛盾もあることから、後味の悪さが増幅されるのではないでしょうか。

真犯人がわからないおとぎ話を楽しむ映画

この映画は結局、「真犯人はわからなくていい」というスタンスで、おとぎ話として楽しむべき映画なのだと思います。

色々調べてみてわかったことは、この映画を評価している人たちにとって、「真犯人がアンディかどうかは重要ではない」ということ。

おそらく製作者はわざとそこを曖昧にして、映画を見る人の「誰が犯人なのか知りたい!」という気持ちを利用して最後まで緊張感を持たせているのではないでしょうか。

真犯人を知りたいという「希望」を捨てるしかないのは残念ですが、、最後の海が美しいので後味は帳消し、ということにするしかないようですw

ショーシャンクの空に・真犯人はアンディかサイコパス男かまとめ

『ショーシャンクの空に』は妻と間男を殺した罪で刑務所生活を送ることになった銀行員が、20年近くにおよぶ刑務所生活でも希望を失わずに生きていく物語です。

アンディが本当に無実なのか、だとしたら真犯人は誰なのか気になったので改めて考察しました。

結果的にアンディの無実も真犯人の存在も断定はできないこと、この映画はそこを楽しむ映画ではないらしいことがわかったのでひとまず真犯人探しは終わりにします。

見る人の立場や年齢・人生経験などによって感想が変わる映画かもしれないので、家族で見たり、しばらく時間を置いてから見ると味わいが増すのかもしれませんね。

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