ガンダム水星の魔女のクワイエット・ゼロとは?意味や目的と止めるべき理由を考察

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『機動戦士ガンダム水星の魔女』の「クワイエット・ゼロ」とは一体どういうものなのでしょうか?

クワイエットゼロは計画の名前であると同時に要塞の名前であることも判明しています。最新の情報をもとに解説します。

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ガンダム水星の魔女のクワイエット・ゼロとは?

この記事ではガンダム水星の魔女のクワイエット・ゼロとは何か?を解説します。

クワイエットゼロとはあらゆる機器をオーバライドできるネットワーク

「クワイエットゼロ」はパーメットを利用したあらゆる機器をオーバライドできるネットワークのことです。

水星の魔女に出てくる巨大要塞と、それを用いた計画の名前でもあります。

プロスペラが宇宙議会連合の艦隊に対して何百体もガンドノードを射出した巨大要塞は計画の一部ですが、機器の本体ではありません。

多数のガンドノードを利用してパーメットネットワークの範囲を広げ、空間を包み込むように覆うためのものでした。

本体はプラント・クエタに設置されていましたが、ベルメリアの助言により議会連合が取り外してしまい利用されませんでした。

クワイエットゼロは消滅するから「静かなゼロ」?

クワイエット・ゼロの意味は「静かなゼロ」、つまり穏やかで波風がたたず、すべてがゼロでフラットな状態になっていることを意味するようです。

しばらく持続したネットワークですが、結局はそのネットワークにオーバーライドされていた機器はすべてパーメット粒子に分解されてしまいました。

すべてがゼロの状態に戻る=消滅するということで、クワイエット・ゼロという名前だったようです。

クワイエットの意味
クワイエットは「quiet=静かな」という意味の単語で、あたりが音もなく静まり返っている状態や心が落ち着いている状態を表す言葉です。

ゼロの意味
ゼロのほうは、映画の最初の試写を「0号試写」と読んだり、モビルスーツなどの試作機やパイロットモデルを「0号機」と呼んだりするように、これまでにないものを初めて作るときよく付ける呼び名です。

クワイエット・ゼロはノートレット・レンブランが植物から発案

クワイエット・ゼロはもともとノートレット・レンブランが立案した計画です。ノートレットはデリングの妻すなわちミオリネの母親ですが、数年前に事故で亡くなっています。

デリングの秘書兼護衛役のラジャンによると、”植生エンジニアでもあったノートレットが植物の多種多様な生存戦略を人類にも適用できないかと考えた”計画なのだとか。

デリングの護衛兼秘書役のラジャンによると、デリングは軍人としての経験で兵器による決定に身を委ねパーツとして命を消費していく兵士のあり方に疑問を持ったようです。

このことに心を痛め、人間性の回帰を強く求めていたことからノートレットの計画に共感したとされています。「人間性の回帰」とは、一言で言えば「その人らしく生きられる」ことです。

デリングは亡き妻にこの計画の実現を約束し、ベネリットグループには計画の存在を秘密にして進めてきました。

ノートレットは娘に残したトマトに停止コードを仕込んでいた

ノートレットは自分が開発したトマトの遺伝子配列にミオリネへのメッセージを暗号として仕込んでいました。

最初にミオリネが要塞に侵入して打ち込んだ緊急停止コードは

quod erat demonstrandum
証明終了

でしたが、ベルメリアが頭文字を大文字に変えてもダメ。プロスペラによって変えられていたんですね。

そこでシステムの管理者権限を回避しようとプログラムのコードを見直したミオリネは、トマトマークのノートレットファイルを発見します。

GTAATGCCGCGGAAACACACACGGATGCCACACCGGCATATGATAAAACATATGACACAGCTG
How are our tomatoes?

と表示されるメッセージ。そこでトマトの遺伝子コードに仕込まれていたメッセージを思い出したミオリネは、それを塩基配列の暗号に従って記入していきます。

その場で見た暗号を解読してすぐ組み上げるってミオリネ天才か!

GTTCCCGGCCGAGAAGTAGTCGGAAAAGTCCCGAAAC…(この先は見えず)
I will always be attached to you, Miorine.
いつもあなたのそばにいるわ、ミオリネ。

そうすると…

I love you, From Mom.
愛してる。ママより。

というメッセージが浮かび上がり、クワイエットゼロのシステムの管理権限上書きに成功。

そこにロウジを介してエンジニアたちがシステムに侵入し、クワイエットゼロを停止させました。

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クワイエットゼロの目的

クワイエットゼロの目的は「戦争のない世界への書き換える」ことと「エリィの居場所づくり」です。

デリングの目的は「戦争のない世界に書き換える」こと

デリング・レンブランによるクワイエット・ゼロ計画の目的は、GUNDフォーマットのネットワークを利用して「(戦争シェアリングによる紛争が続く世界を)戦争のない世界に書き換える」ことです。

戦争シェアリング
スペーシアン企業や宇宙連合が裏で紛争を煽ることによって、対立はおさまらず兵器が売れ続ける。その結果生まれる経済的利益を分配すること。

現在は戦争シェアリングの結果として地球は荒廃し難民が多数発生しています。

兵器の売却によって利益を享受できるのはスペーシアンだけなので、アーシアンとスペーシアンの対立は深まるばかりです。

そういう構造を「書き換える」ということは、アーシアンとスペーシアンの関係を対等な関係に戻したいのではないでしょうか。

プロスペラの目的は「エリィの居場所を作る」こと

プロスペラの目的は、娘のエリクト・サマヤの居場所をリアルな世界の中に作ることです。

現在の彼女は生体コード(データ)でしかなく実体を持ちません。そして彼女が存在できるのはエアリアルのパーメットの中だけです。

プロスペラはこの状況を変えるために、パーメットを利用するあらゆる機器を一つのデータネットワーク(クワイエットゼロ)に接続させ、そのネットワーク内のどこにでもエリィが存在できる状態を作ろうとしていました

デリングの計画を実現するだけならスコア6までで十分なのに、スレッタに決闘させパーメットスコアを8まで引き上げたのは、エリクトが自ら機器を操れるようにするためです。

デリングの計画が自分の計画に必要なものだったため、プロスペラは夫や子供のかたきに協力したわけですね。すごい執念です。

スレッタは母親のその選択を「肯定します」と完全に受け入れていましたが、母親が自分の未来の花嫁の父(デリング)を殺すことにならなくてホッとしたことでしょう。

クワイエットゼロはなぜ止めるべきだったのか?

水星の魔女ではなぜクワイエットゼロを止めようとしていたのでしょうか?

クワイエットゼロが広い範囲で発動されると、パーメットリンクに接続されたあらゆる機器のコントロールがプロスペラに乗っ取られる恐れがあるためです。

パーメットスコア6でシステムのオーバーライド(上書き)が可能になり、パーメットスコア8では、エリクトの意志のままシステムを操れるようになります。

プロスペラは夫や子供、仕事仲間や恩師を失ったのと同じ悲しみをデリングにも味わわせることが目的なので、わざと地球で戦端を開きミオリネとベネリットグループの信頼を失墜させました。

ミオリネの抹殺やベネリットグループ殲滅も計画しているかもしれず、その証拠に宇宙議会連合に奪われ利用されていたオックスアース社のガンダムは、恩師の考えに反するとして破壊しつくしていました。

エリクトは母親であるプロスペラの意向にしたがって行動しているので、もしプロスペラに破壊を命じられたらその通りにしてしまう可能性が高かったです。

なのでみんなで力をあわせてプロスペラを阻止しようとしたわけですね。

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クワイエットゼロとパーメットスコアの関係

クワイエットゼロとパーメットスコアの関係はどうなっているのでしょうか?

パーメットは水星で採掘される鉱物(元素)で、情報を伝達する性質があるとされています。そのため様々な乗り物や義手・モビルスーツなど情報のやり取りが必要な機器に利用されています。

パーメットを軍事転用してモビルスーツと人体との間でデータをやりとりする方法がGUNDフォーマットで、その際に機器側から人体にどのくらいデータをフィードバックするか、その量を表すのがパーメットスコアです。

24話ではスレッタがパーメットスコア8を超えるレベルにまでスコアを上げ、パーメットの光が虹色になっていました。

スコアが上がってもスレッタが死ななかった理由としては

  • エラン4号が手伝ってくれた
  • スレッタはエリクトと遺伝子が同じなのでパーメット耐性が強い
  • キャリバーンでダイレクトにデータストームにリンクしている

という要因があったからでしょう。

パーメットスコアパーメットの光パイロットの状態
2モビルスーツの視野や機体操作がパイロットと同調する。
3ガンビットの操作が可能になる。アンチドートの影響を受ける。
4モビルスーツの性能を限界まで発揮できる。アンチドートの影響を受けなくなる。パイロットの生命が脅かされる。
5
6アンチドートをオーバーライド(上書き)できる。
7
8パーメットリンク内でエリクトが実体化し普通に会話できる。エリクトがパイロットなしでモビルスーツを操縦できる。
虹色スレッタがパーメットリンクのレベルを上昇させ、エリクトの生体データを結晶化。ホッツさんキーホルダーに移し替えた。

アンチドートは本来「解毒剤」のこと。水星の魔女では「モビルスーツ本体とビット兵器をつなぐパーメットリンクの無効化」を意味する。つまりアンチドードが発動されると、スコア3までならビット兵器が利用できなくなる。スコア4以上ではアンチドートの効果がなくなる。

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クワイエットゼロが消滅したのはなぜ?

クワイエットゼロが消滅したのはなぜでしょうか?

クワイエットゼロの中ではパーメットが実体化=物質がパーメット化

クワイエットゼロの虹色のパーメットリンクの中では、生体コード(データ)のみの存在だった人々が実体化していましたね。

逆にいえば、もともと物質だったものがパーメット粒子になっていると考えることもできるのではないでしょうか。

たとえばずっとエアリアルの中にしかいられなかったエリクトがプロスペラに抱きしめられていましたよね。

クワイエットゼロの中ではパーメット粒子が物質としての質量(手でふれられる物体としての存在)を持っているということになります。

と同時にパーメットスコアが上昇した空間内にいる人間にはデータストーム(大量のデータ流入)が起きているためデータに近い存在になっているとも考えられるのではないでしょうか。

科学的な議論としてリアルに成り立つ説かはわかりませんが…。

粒子に戻るとき物質も分解されてしまうのでは

パーメットの実体化には時間制限があり、一定の時間が過ぎると自動的に粒子に戻ってしまうようです。

そのときに、パーメット化した物質もまた粒子状になり分解されてしまうのかもしれません。

そう考えると、ガンダムが虹色のパーメットに分解されていったことも説明がつくと思います。

 

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水星の魔女のクワイエットゼロの意味や目的と止めるべき理由まとめ

ガンダム水星の魔女のクワイエット・ゼロとは、パーメットを利用したあらゆる機器をつなぐデータネットワークのことです。巨大な要塞の名前でもあり、それを利用した計画の名前でもあります。

  • クワイエットゼロの意味は「静かなゼロ」で、ノートレット・レンブランが植物から発案した計画でした。
  • クワイエットゼロの目的は、デリング・レンブランとプロスペラ・マーキュリーでそれぞれ異なります。
  • デリングの目的は「戦争のない世界に書き換える」こと。プロスペラの目的は「エリィの居場所を作る」ことです。
  • クワイエットゼロとパーメットスコアの関係を見ると、デリングの計画にはスコア6で十分ですがプロスペラの目的達成には8が必要でした。
  • クワイエットゼロはなぜ止めるべきかというと、実現すればプロスペラがあらゆる機器をコントロールし破壊できる状態になるため、今あるものを守りたい人とは利害が一致しないからです。
  • クワイエットゼロを停止できたのは、ノートレットのメッセージを受け取っていたミオリネでした。
  • クワイエットゼロは発動後間もなく粒子状になって分解しはじめ、最後には消滅しました。

世界中の人々が実体を伴って一つのネットワーク上でつながるという、実体ありのメタバース宇宙版?みたいな終わり方でしたね。

メタバースには自分の好きな時に出入りできますが、クワイエットゼロは強制的に全員入れられてしまうこと、管理者に全てを握られてしまうことが恐ろしい点です。

インターネットはたしかに便利なんですが、生きることやお金を稼ぐことの全てをそこに頼ってしまうと誰かに人生を握られてしまうこともあるのかな~なんてちょっと怖い想像もしてしまいました。

何はともあれ自分の隣にいてくれる人をもっと大切にしようと思えるハッピーエンドで本当に良かったと思います。

これからも折に触れて見返す作品になりそうです!

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