『風の谷のナウシカ』はジブリ作品ではない!と主張する人がいるようです。
でも、金曜ロードショーでもジブリ映画として放送されてるし、どうしてそんなこと…?と不思議に思いますよね。
調べてみると、確かにそう言われても仕方ない部分があることがわかりました。
今回は風の谷のナウシカはジブリではない会社が制作したのか?著作権がジブリにあるのはどうしてか?を解説します。
風の谷のナウシカはジブリではない会社が制作した作品
風の谷のナウシカはジブリではない会社が制作した作品です。当時の事情をご紹介します。
株式会社トップクラフトが制作
『風の谷のナウシカ』は株式会社トップクラフトが制作した作品です。
株式会社トップクラフトは東映動画で製作管理の仕事を担当していた原徹氏が創立した会社で、主に日米合作アニメを制作していました。
日本向けアニメにも下請け・元請けで参加しており、
- 広告代理店の博報堂に原氏の東映時代の同僚・白川大作氏が在籍していた
- 東映時代『太陽の王子 ホルスの大冒険』の制作を通じて高畑勲や宮崎駿とは旧知の間柄になっていた
これらの理由から、トップクラフトが徳間書店と博報堂の共同製作のアニメ映画『風の谷のナウシカ』(1984年公開)の制作に携わりました。
宮崎監督は最初自分の古巣であるテレコム・アニメーションフィルムに企画を持ち込みましたが、余裕がないと断られたためトップクラフトが制作することになったそうです。
『ナウシカ』はスタジオジブリ設立前の作品
風の谷のナウシカが公開されたのは1984年。スタジオジブリは1985年に設立された会社ですので、ナウシカ制作当時は「スタジオジブリ」は存在していませんでした。
ですから『風の谷のナウシカ』はジブリ作品ではない、という見方は成り立ちます。
しかし作品の著作権を保有しているのはスタジオジブリですので、ナウシカはジブリ作品である、という考え方も正しいのです。
なぜこういう状況になっているのでしょうか?
風の谷のナウシカの著作権がジブリにある理由
金曜よる9⃣時#風の谷のナウシカ
毒となる瘴気を出す森“腐海”🌳
腐海を巡る大国との争いに巻き込まれながら
巨大な生物・王蟲たちと心を開こうとする
優しく、強いヒロイン・ナウシカ…😌3週連続 #夏はジブリ
撮影技師「フライデーおじさん」の
オープニングも復活です🎥#金曜ロードショー pic.twitter.com/jVCWhup1FA— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) July 2, 2023
風の谷のナウシカの著作権がジブリにある理由はなぜなのでしょうか?
トップクラフトがスタジオジブリに改組された
株式会社トップクラフトは1985年6月15日にスタジオジブリへと改組されました。トップクラフトの原徹氏は取締役としてジブリに参加しています。
ジブリは『風の谷のナウシカ』のヒットを受けて徳間書店の出資により設立された会社で、その目的はアニメ映画『天空の城ラピュタ』(1986年公開)の制作でした。
どういうことが起きたかまとめると、おそらくナウシカの制作がうまくいったためトップクラフトの体制を強化したのでしょう。
看板をかけかえて、徳間書店の出資を受けつつアニメ制作を行う会社になったわけですね。
風の谷のナウシカの著作権はジブリにある
現在、風の谷のナウシカの著作権はスタジオジブリが保有しています。
おそらく株式会社トップクラフトで制作された作品に関しては同様の管理が行われているのではないでしょうか。
ちなみに公式サイトによると「GHIBLI」の由来は次のとおりです。
ジブリという名前の由来は?
A
ジブリの綴りは「GHIBLI」、サハラ砂漠に吹く熱風を意味するイタリア語です。第2次世界大戦中に使用されたイタリアの軍用偵察機の名前でもあり、飛行機マニアの宮崎監督が命名しました。日本のアニメーション界に熱風を起こそうという思いを込めたネーミングだそうです。
なお、本来イタリア語では「ジブリ」ではなく「ギブリ」と発音するのが正しいそうです。
風の谷のナウシカの原作漫画は電子書籍化されていない!
宮崎駿監督自身が描いた『風の谷のナウシカ』の原作漫画は電子書籍になっていません。この時代に、まさか…?と思いますが本当のことです。
実はこの漫画、鉛筆で描かれているにもかかわらず非常に書き込みが細かいので、スマホ画面で読むのには向いていないと思います。
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ちなみに…DMMコミックレンタルとゲオ宅配レンタルでも調べてみましたが、そちらでは取り扱いがありませんでした。
風の谷のナウシカはジブリではない会社が制作・著作権はジブリの理由まとめ
- 1984年公開の『風の谷のナウシカ』の制作は株式会社トップクラフトが行った
- 1985年に株式会社トップクラフトを改組する形でスタジオジブリが設立された
- 『風の谷のナウシカ』の著作権は現在スタジオジブリが保有している
ということで、1984年の公開当時はジブリ作品ではなかった『風の谷のナウシカ』ですが、1985年にはジブリ作品になったというわけですね。
ナウシカは個人的に非常に好きな作品なので、折に触れて映画を見直したり、漫画を読み返して楽しんでいきたいと思います。
この記事がジブリファンの皆様のお役に立てたとしたら嬉しいです!