コクリコ坂からメルだけ家事をする理由は?兄弟も祖母も手伝わないのはなぜ?

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ジブリ映画『コクリコ坂から』の海(メル)だけが家事をするのってどうしてなの?と不思議に思う人が多いようですね。

みんなはどう考えてるんだろう?と思って調べてみたら「家族のためにがんばってる」「妹と弟のお世話をしながら家事やって高校行ってるなんてえらい」という意見が多くて驚きました。

私の考えでは、メルは自分が幸せでいられる場所を作るために下宿を経営している起業家です。

だから家族のために自分の時間を犠牲にしてがんばって偉いとかじゃないと思います。その理由を詳しくお伝えしますので、ご興味ある方はぜひ読んでみてください。

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コクリコ坂からでメルだけが家事をする理由は?

コクリコ坂からの松崎海(メル)が家事をする理由は家族のお世話をするとか生活費を稼ぐためではないと考えます。

メルは起業家

個人的な考えではありますが、メルが独りで下宿の家事をしているのは、起業家として下宿を経営している身体と思います。

作品中でメルに下宿経営を強制したり依頼している人はいません。

メルも下宿経営について愚痴を言ったりめんどくさそうにしている様子はありません。

そもそもなぜメルは下宿を経営しているのでしょうか?

メルは自ら望んで下宿を経営している

メルの祖母は「辛くはない?」と毎日忙しく過ごしているメルを気遣っていました。それに対してメルは誰かの世話をしているほうが気が紛れると答えていましたね。

つまりメルは自ら望んで下宿という場を作り、自分がお世話をする人を住まわせているのです。

食堂でみんなが囲むテーブルと赤いシート+黒いスチールパイプの椅子は、当時の食堂でよく見かけたもので、非常に懐かしい感じがしました。

人が集う場所に必ずある家具があそこにあるということは、メルはみんなでわいわい食卓を囲む場を作りたかったのだということがよくわかります。

「今日のイワシ、安かったわよ」という友子さんの言葉は、家族の暮らしを支えるために節約しているのではなく、下宿の経営者として予算内で買い物をしてもらえるようお願いしているからこそのコメントではないでしょうか。

がんばる理由は家族が亡くなる可能性を考えないようにするため

メルの、誰かの世話をしているほうが気が紛れるというセリフにはもう一つ意味があると思います。

何かしていないとつい考え続けてしまうことがある。だから下宿屋を経営して忙しくしているほうがいいということですね。一体何を考えることを避けているのでしょうか?

それは”家族が帰ってこないかもしれない”不安だと思います。メルの父親は10年以上行方不明で母親はニューヨークに留学中です。

海の上で行方不明になった父同様、離れた場所にいる母親になにかあってもすぐに状況を把握することは難しいでしょう。

少しでもそういう不安を打ち消すために、メルは一生懸命目の前の人のために食事を作り、下宿に住まわせることで疑似家族のような関係を作っているのではないでしょうか。

そういう彼女の思いは、朝食の席にしつらえられた陰膳(家族の無事を祈って不在の人の分まで用意された食事)にも現れていると思います。

彼女は父を失った実感がはっきりとは持てないまま母親までも失うことを恐れ、二人がにこやかに食卓や台所で笑っている様子を夢に見てしまったのかなあと思います。

ただでさえ忙しいメルがガリ版を切ることまで引き受けて夜の台所で作業している様子を見ると大丈夫かな~?そんなに忙しくして体壊さない?と親戚のおばちゃんのように心配になってしまいました。

おそらくメルは「やめる」と決めるときまで毎日忙しく下宿を切り盛りしながら高校生活を送っていくのでしょう。

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メルを兄弟も祖母も手伝わないのはなぜ?

メルを兄弟も祖母も手伝わないのはなぜなのでしょうか?

家族の家事はお手伝いさんに任せているから

メルの家で働くお手伝いの友子さんは祖母がお給金を払って雇っています。もともと下宿屋とは関係なく雇うつもりだったと言っていました。

つまり家族の家事を担当する人はいるのですが、メルは友子さんに全部やってもらっているわけではありません。

友子さんが洗濯物を畳んでいるときに「すみません」と声をかけているのは、祖母が雇っていて家の家事担当の友子が下宿の買い物まで手伝ってくれているからではないでしょうか。

祖母も兄弟も下宿を手伝わないのは、そんなことをする必要が全くないのにメルが(彼らから見れば道楽で)経営しているだけだからでしょう。

母親は海外留学できる超エリート⇒収入は十分ある

メルの母親・松崎 良子 は大学教授。作品終盤にニューヨーク留学から帰宅しました。専攻は数学でしたね。

メルの父親は船乗りでしたが事故で死亡しているので、メルの母はシングルマザーです。彼女が海外留学できてしまうところが超エリートといえます。

調べてみると舞台は1963年ということですが、この時代は1ドル=360円で途方もなく円が安いんです。つまり海外に留学に行けるだけでも、かなりの資産か収入があることがわかります。

1960年頃の大学進学率が10%程度だったことも考えると、その親の世代としては破格のエリートですね。

つまりメルは下宿屋のおかみさんとして働く必要は全然なく、そんなことをしなくても十分普通に暮らしていける収入か資産がある家で育っていると考えられます。

曽祖父と祖父が医者⇒昔からお金持ち

彼女の曽祖父と祖父がお医者さんでコクリコ荘は明治時代に建てられた病院だ、と駿に説明していたメル。

江戸時代まで日本が鎖国をしていたのは皆さんご存知だと思います。

ということは松崎家は、明治の文明開化でいち早く一般に広まった西洋の医術を身につけ、さらに立派な建物を建てるだけの先見の明と資産のある家だったのです。

場所は横浜市の一角ですから、可能性としては鎖国の間であっても医術を学ぶことはできたかもしれませんし、洋館を建てることもお金さえあれば難しくなかったでしょう。

メルの祖母・松崎花は夫の病院の経営に携わった経験があるはず。だからメルの帳簿を確認して「赤字を出してないだけ立派よ」と言っているのです。

メルとしては自分の下宿経営に祖父の病院を利用させてもらっているわけで、赤字を出さないようにがんばって経営しているのだと思います。

メルは医者になりたい⇒お金の心配はしていない

メルが医者になりたいと駿に話していたのは、家に資産があるからではないか?と私は思います。

駿は国公立狙いと言っていましたが、それは学費が安いからですね。しかしメルは学費の話題には乗らず将来の可能性のことだけ口にしました。

もし彼女にもお金の悩みがあるとしたら、それは二人にとってお互いを励まし合う格好の話題になるはずですが、メルはそうしませんでした。お金はあるからです。

本当に家が貧乏で下宿屋が家計を支えるために下宿を経営しているのだとしたら、メルは医者になりたいなどと考えないと思います。

現代の相場しかわからないのですが、6年間医学部に通うには、国公立大学でも少なくとも350万円以上かかります。私立大学なら600万とか800万とかはザラです。

メルの下には空も陸もいるのですから、本当に稼ぐ必要があるなら彼らも祖母も必死に働くでしょう。

しかし祖母は離れできちんと羽織まで身につけて優雅に暮らしていますし居間にテレビもあります。お金はあるのです。

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コクリコ坂からでメルだけが家事をする理由の考察まとめ

コクリコ坂からでメルが家事をする理由について考察してきました。

  • お手伝いの友子さんは家族の家事を引き受けているが下宿の仕事はしないから
  • 母親は海外留学できる超エリート大学教授で、収入は十分あるから
  • 曽祖父と祖父が医者ということは昔からのお金持ちだから
  • 医者になろうかなと言えるのは、家にそれなりの資産があるから

メルは自ら望んで下宿を経営しており、彼女が毎日忙しくがんばるのは家族が亡くなる可能性を考えないようにするためなのでしょう。

母親が帰国したいま、これからの彼女が将来へ向けてどんな道を進んでいくのかとても楽しみです!

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