ドクターキリコの名言を初登場から全話紹介!妹ユリのブラックジャック登場回についても

『ブラックジャック』に登場する「白い死神」ドクターキリコ。

彼は安楽死の必要性と正しさを信念とする医者です。

ドクターキリコの心に響く名言と妹のユリの登場回についてまとめました。

ドクターキリコの名言は何話で読める？全話紹介

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ドクターキリコの名言を全話分紹介します。

キリコには実はユリという妹がいるんですが、彼女の登場回も解説しています。

46話「おれだって殺してばかりはいやしない」キリコ初登場回

第46話「恐怖菌」の名言をご紹介します。

細菌兵器に感染した人間の治療を依頼されたブラックジャックが現場に到着すると、そこには「死神の化身」ドクターキリコも招かれていました。

おれだって殺してばかりはいやしない
なおせる相手ならなおすよ

「恐怖菌」

と語り、まずはブラックジャックに患者を任せます。数日にわたる懸命な治療は成功し、患者は明らかな回復の兆しを見せ始めました。

しかし突然、依頼者（国）が治療を中止すると宣言。ブラックジャックの抵抗もむなしくドクターキリコが患者のもとに向かいます。

ところが部屋には患者はおらず、崖の下にボートが浮かんでいました。ボートを追いかけた政府関係者は、誤って崖から転落し大ケガを負います。

もう遅いね。手遅れだね。

「恐怖菌」

こう言ってニヤリと笑うドクターキリコの不気味さといったら…！

初めての登場で不穏な言葉を発し読者に強いインパクトを与えた回でした。

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56話「おまえは金しだいでいのちを助ける。おれは金次第で安楽死をとげさせてやる…似たようなもんさ」

第56話「ふたりの黒い医者」の名言をご紹介します。

ドクターキリコは交通事故の影響で自力では全く動けない女性から安楽死の依頼を受けます。

しかし女性の家族から依頼を受けたブラックジャックが手術を行い、女性は再び体を動かせる希望を取り戻しました。キリコはその場から退散します。

女性は家族とともに家に帰ることになったのですが、病院の車が途中で交通事故にあい、全員死亡してしまったのでした。

ブラックジャックとともにその知らせを聞いたキリコは高笑いしつつ去っていきました。

おまえは金しだいでいのちを助ける。おれは金次第で安楽死をとげさせてやる…似たようなもんさ

「ふたりの黒い医者」

エピソードの冒頭でキリコが語った言葉が重くのしかかるエンディングでした。

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79話「オヤジを救う道はただ一つ…オヤジに安楽死をさせてやることなんだ」妹ユリ初登場回

『ブラック・ジャック』実写ドラマでドクター・キリコが女性に？　BJとの相容れない対立シーンを振り返る#ブラックジャック
https://t.co/hvfiWJgfQJ

— リアルサウンド ブック (@realsound_b) March 11, 2024

79話「弁があった！」の名言をご紹介します。

父親が縦隔気胸（体内に空気がたまる病気）にかかり、安楽死させようとしていたドクターキリコ。一方、その考えに反対する妹ユリはブラックジャックに手術を依頼します。

この時ブラックジャックは初めてユリに会うんですが、白い髪と白い瞳を見てすぐにドクターキリコの妹だと気づきました。似てるんでしょうね。

ブラックジャックは父親の体内にあるはずの空気漏れの穴を探しますが、どこをどう探しても見つかりません。

ドクターキリコが5年間もの間探し続けても発見できなかった穴ですが、ブラックジャックのアイデアで最後の最後に発見！とうとうふさぐことができました。

しかし父親の心臓は鼓動を止めてしまいます。

オヤジを救う道はただ一つ…オヤジに安楽死をさせてやることなんだ

「弁があった！」

こう思い込んだドクターキリコがブラックジャックの目を盗んで毒薬を注射したからです。

「命をなんだと思ってるんだ！」とブラックジャックに殴られたキリコ。

でも、ですよ。たとえば風邪をひいてゼエゼエしている子供を一晩見守るだけでかわいそうで見ていられないんです。

自分の父親が息をするだけで一日中苦しんでいる姿を5年間も目の当たりにしていれば、「もう楽にしてあげたい」と思うのも仕方ないかも…と個人的には思ってしまいました。

ドクターキリコが安楽死に手を染めたのは、傷ついた兵士たちに苦しみを終わらせてほしいと懇願されたからです。毒薬を注射すると、兵士たちは感謝しながら死んでいったといいます。

苦しむ患者を助けられない医師の無力感がどれだけ大きいか、考えさせられるエピソードでした。

妹のユリは父親にすがって泣いていましたが、兄が安楽死させたことを責めないんだなと私自身はそこにちょっとひっかかりました。

父親を亡くしたショックのほうが大きかったのかもしれませんね。

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106話「生きる望みをたたれた人間はむしろ楽に死なせてやったほうがよっぽどいい」

第106話「浦島太郎」の名言をご紹介します。

55年もの間、意識を失った当時の若い姿のまま機械につながれて眠り続ける患者がいました。

安楽死を依頼されたドクターキリコは、患者をみて「生ける屍（しかばね）」と診断。

生きる望みをたたれた人間はむしろ楽に死なせてやったほうがよっぽどいい

「浦島太郎」

と安楽死させようとします。そこに登場したブラックジャックは1日だけキリコに処置を待ってもらい手術を行いました。

手術は成功し患者が目を覚まします。意識ははっきりしていて会話もできたのですが、その顔は見る間に年をとり、すぐに老衰で亡くなるのです。

「なぜそっとしておいてくれなかったんだ」という患者の叫びは悲痛なものでした。

このエピソードの最後ではブラックジャックとドクターキリコが二人そろって落ち込む姿が描かれています。

本人がどう生きたいか、眠っていたために意思を確認できなかったわけですが、自分たちの意地や思い込みで患者の生命をもてあそぶ結果になったことを嘆いていたのではないでしょうか。

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128話「あれは殺人のための道具じゃない!!ただの超音波発信機だ」

「ブラック・ジャック」に登場する、安楽死専門の闇医者。
回復が見込めない患者に対し安楽死を施すことを信条とする彼と、B・Jの信念の対立は本作の見どころの一つです。#BJ50thhttps://t.co/JcaCZIFhPC pic.twitter.com/SWlJGegsKa

— 【公式】手塚治虫 ブラック・ジャック展 (@BJExTwt) June 15, 2023

128話「最後に残る者」に登場する名言をご紹介します。

西ドイツで6つ子の未熟児が生まれましたが、元気に生まれてきたのは1人だけ。しかもその赤ん坊は妊娠1ヶ月程度の胎児の姿のまま奇形児として誕生しました。

普通の人間として生きられない赤ん坊を安楽死させてほしいと依頼をうけ、ドクターキリコがハンブルクに招かれます。

しかしブラックジャックが空港で税関職員に安楽死の情報を流したため拘束され、留置場に入れられてしまいました。

あれは殺人のための道具じゃない!!ただの超音波発信機だ

「最後に残る者」

と主張してもすぐには信用してもらえず、キリコが病院に到着したときには6つ子のうち5人が死亡。生き残ったのは一人だけの状態でした。

手術台のうえに包帯だらけの幼児を発見したキリコは、その子がもはや奇形児ではないと告げられブラックジャックが何をしたかに気づきます。

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146話「おれはこれからもたのまれりゃあどんどん殺してやる」妹ユリ登場回

第146話「99.9パーセントの水」の名言をご紹介します。

アマゾンで奇病「グマ」に感染したドクターキリコ。安楽死の依頼を受けて処置を行ったとき、自分も奇病に感染したのでした。

一人で離れ小島にたてこもり、感染者を出さずにダイナマイトで自爆するつもりだったようですｗなんで爆破する必要があったのか…？奇病撲滅のためでしょうか。

妹ユリはブラックジャックを連れて島に上陸し、結果としてキリコは命を救われます。

このエピソードで、ブラックジャックは患者がキリコだと知ると運転していた車のスピードを急に上げていました。なんだかんだ言って、キリコのことを嫌っているわけではないんですね。

それはキリコの妹ユリも同様で、兄であるキリコが助かるとわかって涙を流して喜んでいました。

ユリ「もう安楽死商売はやめて!!」
キリコ「よけいなおせわだ。おれはこれからもたのまれりゃあ、どんどん殺してやる！」

「99.9パーセントの水」

これには笑いましたｗ

ちなみに、ブラックジャックに海で泳いでこいと言われるユリは素直に服を脱いで指示にしたがいます。パンツ姿がなんともオールドファッションでいい感じです。

最後にユリとブラックジャックが降るような星空を見上げるシーンにほっこりしました。

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177話「おれも医者のはしくれだ。命が助かるにこしたことはないさ…」

第177話「死への一時間」の名言をご紹介します。

NYで毒薬を買ったキリコと偶然出くわしたブラックジャックが薬を巡って言い争いをします。

おれはな　苦しんで　もがいて　そして死にきれない患者を
楽にしてやってるんだぜ
むしろ感謝されてるんだぜ

「死への一時間」

話題になった毒薬を心臓病薬と勘違いした少年がカバンごと持ち去り、病気の母親に毒薬を飲ませてしまいました。

奪われた薬の行方を探すうちに少年と母親を発見したブラックジャックとドクターキリコ。

飲んでから1時間で死んでしまう薬なので、なんとか薬を取り出そうとNYの街で人工心肺を使える病院を探しまわります。

残りあと3分！というギリギリのタイミングで手術を開始することができ、母親は一命を取りとめました。

ブラックジャック「殺すのと助けるのと気分はどっちがいい？」
ドクターキリコ「ふざけるな　おれも医者のはしくれだ　命が助かるにこしたことはないさ…」

「死への一時間」

個人的にドクターキリコの素直な心情が出てしまうこのシーンがけっこう好きです。

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191話「自殺の手伝いなどできるかっ。俺の仕事は神聖なんだ!!」

ドクター・キリコ役が女性、どんな感じになるんやろ？原作のキリコ妹は出てこないのかな？ https://t.co/1twOKlD0hB

— 🐒ま🍻すじ🍜ゅん+🐒FFMMFFF (@masjyn) March 5, 2024

第191話「小うるさい自殺者」の名言をご紹介します。

ブラックジャックが自殺未遂の少年タカシをドクターキリコのもとへ連れて行きます。

死にたがりの患者を紹介されたキリコは

ばかいえ!!自殺の手伝いなどできるかっ
俺の仕事は神聖なんだ!!

「小うるさい自殺者」

と言いつつも、怪我が完治していないタカシを入院させてくれました。

同じ病室には重度の腎炎で安楽死を望む少女千代子がいたのですが、タカシはいざ千代子が安楽死を迎えようとすると安楽死装置を破壊。千代子は死に損ないます。

わたしも医者だ。できるかぎりこれを使いたくない
だが死よりつらい苦しみが患者におそった時…
これで患者をらくにさせ、死へ送ってあげる…その方が救いになるんだ

「小うるさい自殺者」

このセリフにはドクターキリコの信念が現れていますよね。

病に苦しむ人の思いに寄り添うという意味ではキリコの行いは責められるものではないと思いますが、家族など身近な人間にはまた違う考えがあることでしょう。難しい問題だと思います。

この話ではブラックジャックに面倒ごとを押し付けられ、商売道具を壊されるわでドクターキリコが気の毒な回でした。

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229話「老衰だけはさけられん!その苦痛からむしろ死をのぞむようになるんだ」最後の登場回

第229話「人生という名のSL」の名言をご紹介します。このエピソードは実質的な「ブラックジャック」の最終回と言われていますが、その理由は雑誌連載の最終回だったからです。

実はドクターキリコが登場する話としても最後のエピソードです。

SLに乗ったブラックジャックの前にこれまでに出会った人たちが次々に現れるのですが、その中にドクターキリコも登場します。

本編では病気で苦しんでいる人を安楽死させるのがキリコの仕事でしたが、「人生という名のSL」では健康ではあるものの長生きしすぎて目も見えず話もできない老衰の老人の安楽死を請け負っています。

「いけない殺すなっ」と叫ぶブラックジャックに、じゃあ若返らせて助けてやれよ、できないだろう、とうそぶくドクターキリコ。

これからおれはあの老人に安楽死をほどこすぜ
それがむしろ幸せなのさ

「人生という名のSL」

そう言って去っていきました。

医学の力で人間をどんなに長生きさせたって老衰だけはさけられん！
その苦痛からむしろ死をのぞむようになるんだ

「人生という名のSL」

このエピソードは1978年に書かれたものですが、健康であっても老後資金を心配しながら生きなくてはいけないなど、長寿が必ずしも幸福につながらない現状を見越していたかのようですね。

最後までブラックジャックと相反する思想を持ったドクターキリコですが、そんな彼に魅力を感じる読者は少なくなかったのではないでしょうか。

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ドクター・キリコの名言を全話紹介･妹ユリ登場回についてもまとめ

ドクター・キリコの名言を紹介してきました。

キリコの名言の中で、私は「自殺の手伝いなどできるかっ。俺の仕事は神聖なんだ!!」という言葉が好きです。

ブラックジャックとは相いれない考え方で患者の心に寄り添おうとした結果、安楽死にたどりついたのがドクターキリコなのでしょう。

自分の仕事が神聖だと言っていますから、キリコの中では自分を僧侶や司祭などと同じ聖職者のように考えているのかもしれません。

医師として安楽死という手段を用いて心の平穏を取り戻すことは許されることなのでしょうか？

ドクターキリコの他人を思いやる気持ちが痛いほど伝わってくるだけに、その行いにひそむ罪深さに心が痛みます。