今「LINEマンガ」で国内累計閲覧数1億8000万越えの話題作『先輩はおとこのこ』という漫画があります。
男だけど可愛いものが好きな高校生、花岡まことを中心に描かれるストーリーですが、まことは女の子の姿で高校生活を送っています。
そんなまことをはじめとして、1学年後輩の蒼井咲、まことの幼なじみの大我竜二の高校生男女3人の三角関係が描かれている作品です。
この記事では、『先輩はおとこのこ』は気持ち悪いのか？BL要素がどれくらいなのかについて解説します。
ネタバレありですので、未読の方はご注意ください。
『先輩はおとこのこ』(ぱいのこ)は気持ち悪い作品？
先輩はおとこのこは気持ち悪い作品なのかについて解説していきます。
先輩は男の子の8巻70話のタイトルが「気持ち悪い」
『先輩はおとこのこ』を検索すると、「気持ち悪い」という検索ワードが表示されます。
漫画本編全話を読んでの個人的な感想ですが、見るだけで気分が悪くなるようなグロいシーンはありませんでした。
そこでXやGoogleで「先輩はおとこのこ 気持ち悪い」「ぱいのこ 気持ち悪い」と検索してみたのですが、表示されるのは8巻70話のタイトル「気持ち悪い」だけでした。
Xでは他に『先輩はおとこのこ』という作品が気持ち悪いという感想がないか探したのですが、とうとう見つけることができなかったです。
まことの母親が女子高生だった頃のお話です。
女装して街を歩いている男性を見かけて、後ろ姿で「もしかしたら父親かも」と声をかけてみたところ本人だった、というショッキングな出来事が描かれていました。
これは確かに、気持ち悪いと思ってしまうかも…。
娘が捨てたマニキュアをつけていたり、娘の髪型を真似したりなど「お前がうらやましかった」と言われても困っちゃいますよね。
父親の女装趣味を知って以来、本当は大好きだった「かわいいもの」を身の回りから全て遠ざけてしまったのがまことの母なのでした…。
70話「気持ち悪い」は前半部分を無料で読むことができます。ぜひ読んでみてください！
学校では女子校生として過ごす男子･まことが主人公
主人公の花岡まことは、学校では女装をして高校生活を送っています。
まことは父親のすすめで性に関する配慮が行き届いた高校に進学。
通学時は詰め襟姿ですが、学校にまこと専用のロッカーを置かせてもらい、そこで女子の制服に着替えてから登校をしています。
まことは小さい頃から可愛いものが好きでした。
買い物をしていても、ほしい物は女の子物のかわいいリボン柄のカバンで、目にうつる物はお姫様が着るようなドレスです。
可愛いものを集めたりするうちに、たどり着いたのが女装というわけです。
しかし母親はまことの女の子っぽい好みに否定的で、咲からプレゼントされたピンクのレースつきハンカチを見つけると「誰のものなの？」と問い詰めるほど気にかけています。
いつも「普通の男の子らしくしてほしい」と言われているので、かわいいものは学校のロッカーに置いて、家では男の子としてシンプルな部屋で過ごしています。
まことの体は男の子･好きなのは女の子
まことは女装をしていますが、体は男の子のままです。好きになる相手は女の子のようです。
例えば幼なじみの龍二と高校の後輩の咲と水族館にいくシーンがありました。
満員電車の中、竜二の体がまことにぶつかるのですが、まことは何も気にしません。
でも、咲とおでこがぶつかったときは、まことはドキドキしています。
まことは作品の冒頭部分で咲に告白されたときは突然だったせいか断っていましたが、咲が情緒不安定になっている様子に思わず抱きしめてしまうシーンがあります。
また、咲からの二度目の告白を受け入れます。
まこと自身、作品冒頭では「好きになった人はいない」と発言しているので、男が好きなのか、女が好きなのかまだわかっていなかったのだと思います。
その「わからない」ものを一つずつ見つけていくプロセスがこの漫画の魅力なので、注目してほしいところです。
過激なシーンはないがテーマが重たい
『先輩はおとこのこ』には性的に過激なシーンはありませんがテーマとしては重たいです。
この漫画はまことの体の性と心の性の不一致から生まれるさまざまなトラブルを描いています。
しかしそれだけでなく、家族関係など世の中の普遍的な問題にも触れているからです。
絵柄はふわっとした優しい雰囲気ですしストーリーもサクサク進んで読みやすいのですが、時々立ち止まって考えさせられる。そんな感じですね。
「自分がこうありたい」、「好きなものを好きでありたい」
こういう気持ちをあきらめずに、悩みを乗り越えて自分らしい生き方を見つけていくキャラ達を見ていると、すごく応援したくなります。
まことや咲、竜二など高校生の主役級キャラだけでなく、例えば
- 咲の父親は娘よりクジラの研究が大事
- まことの祖父はかわいいものいっぱいの家でドレスを作って生計をたてている
こんなふうに大人たちも自分の大好きなものを捨てられずに生きています。
周りの目や価値観、社会の偏見、家族の関係など周りの気持ちと向き合い、折り合いをつけていく姿は、大人が読んでも心にささる物語だと思います。
先輩はおとこのこはBL漫画？
『先輩はおとこのこ』はＢL漫画なのかについて解説していきます。
幼なじみの竜二はまことが好き
『先輩はおとこのこ』には、ほんのりとBL要素があります。
まことの幼なじみの竜二は、まことが好きで恋愛感情を抱いています（定期入れに何枚も写真を入れて持ち歩いているます）。そして、まことの肌に触れたいと思っています。
耳に黒いピアスをつけているのはまことに影響されたからです。
学校でピアスをすることで「普通」の生徒の枠からはみ出し、明らかに普通でないまことに近づきたいということですね。
竜二は幼なじみのまことの一番の存在でありたい、女装したまことも可愛いと感じる気持ちからまことが好きだと気づきます。
竜二はまことの肌に触れたいとも感じており、寝ていた竜二をまことが起こそうとしたとき、まことに抱きつこうとしましたが、とっさに手を払われてちょっとショックを受けます（竜二の家にお泊りしていた時の出来事）。
竜二は男性しか恋愛対象にならないのか？まことだから好きなのか？は、はっきりとは描かれてはいません。
ですが男性同士で肌を触れ合うことに抵抗がなさそうな印象でした。こういう状況なので、多少BL要素はあると思います。
竜二がまことに告白し付き合うことになる
竜二は、まことに告白しました。竜二自身は絶対にフラれると思っていましたが、意外にも付き合うことになりました。
付き合ってからは、手をつないで映画を見たりはしますが、二人がキスしたりハグするシーンはありません。
ハグは、前の解説でもあった通り拒否をされてしまい、それ以降は描かれていないからです。
このように、ほんのりとではありますがBL要素が入っています。
キスはないが手つなぎやハグはある
『先輩はおとこのこ』ではキスシーンはありませんが、ハグするシーンはあります。
クリスマスの日、まことが咲を抱きしめているところを竜二が偶然目撃するんです。
当時まことと竜二は付き合っており、クリスマスには竜二の自宅でパーティーをする予定でした。
遅れているまことを心配した竜二が途中まで迎えにでて、ハグを目撃してしまったという状況です。
ショックを受けた竜二は予定をドタキャン。クリスマスの少し前、自分に触れられることをとっさに避けたまことを思い出して別れを切り出し、付き合いは終わってしまいました。
竜二の家に向かう途中でまことは偶然咲に出会い、おばあちゃんの入院にショックを受け、強い孤独と不安を感じている咲を思わず抱きしめたんですね。そこに恋愛感情があったかは微妙です。
竜二はあとから偶然理由を知ってまことを責めることはありませんでしたが、付き合っている相手が女の子を抱きしめている様子を見たら、ショックですよね…。
クリスマスの話の前後で咲・まこと・竜二の関係が大きく動くので、ぜひ漫画で読んでみてほしいです。
先輩はおとこのこは気持ち悪い?BL漫画かまとめ
漫画『先輩はおとこのこ』について、気持ち悪い部分があるか？BL要素はあるか？恋愛要素はどんな感じなのか？について解説してきました。
- 主人公のまことは学校でだけ女装する男子
- まことの体は男・女子が好き
- 過激なシーンはないがテーマが重たい
- ほんのりBL要素がある
- まことと咲と竜二は三角関係
- キスはないがハグはある
まこと、咲、竜二3人の恋心はとても複雑ですが、世界には色んな人がいて色んな好きがあるのだと考えさせられる作品だと思いました。
それでも偏見や周りの目を気にせず成長していく3人の姿に励まされ、自分も前を向いていこうと思えます。
連載は2021年に一旦終了したのですが、2023年12月にまことたちが中学生時代の前日譚『先輩はおとこのこ 出会い編』として連載が再開されています。
そちらも気になるので読んでみるつもりです。アニメ化が楽しみですね！
